2019年07月14日

風邪くらいで大病院を受診する方は、生命保険会社のカモになると思う

令和元年(2019年)5月16日の日本経済新聞を読んでいたら、紹介状なし初診に追加負担、対象病院拡大へと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『厚生労働省は、紹介状のない患者が初診でかかる際に5000円以上の追加負担を義務づける病院を拡大する検討に入った。

現在は400以上のベッド(病床)を持つ病院が対象で、この基準を引き下げる。具体的には200〜300床以上を基準とする方向だ。

追加負担が必要な病院を増やすことで、軽い症状で大病院を受診する外来患者を減らす』

以上のようになりますが、紹介状なしで大病院を受診した場合に、最低5,000円の初診料がかかるようになったのは、平成28年(2016年)4月からです。

なお初診を受けた大病院から、近隣の診療所や中小病院を紹介されたにもかかわらず、その大病院で再診を受ける場合には、再診のたびに最低2,500円がかかります。

現在は1,000万円を貯金しても、税引き後の利息は数百円であり、この利息と比べると5,000円や2,500円というのは、かなりの金額だと思います。

しかしこのような追加負担が発生するようになっても、紹介状なしで大病院を受診する方は、あまり減っていないようです。

ただ厚生労働省は軽い症状で大病院を受診する外来患者を、もっと減らしたいと考えているため、この記事の中に記載されているように、最低5,000円の初診料、最低2,500円の再診料がかかる大病院を、拡大していく方向のようです。

個人的には風邪のような軽い症状で、待ち時間が長い大病院を利用した事はないので、5,000円や2,500円の追加負担が発生する大病院が拡大しても、ほとんど影響はないと思います。

また風邪のような軽い症状で、大病院を受診する方の気持ちがよく理解できないので、インターネットで調べてみたところ、次のようなものが見つかりました。

・大きい病院の方が安心できる
・ブランド病院に通院したい
・いちばん近いから便利

この3つの中で「いちばん近いから便利」というのは、なんとなく理解できます。

もし自宅のすぐ近くに大病院があって、かつ近隣の診療所に行くまでに5,000円以上の交通費がかかるとしたら、私も大病院を受診します。

それに対して「大きい病院の方が安心できる」や、「ブランド病院に通院したい」というは、まったく理解できません。

その理由として風邪のような軽い症状だったら、大病院の医師が診療しても、近隣の診療所の医師が診療しても、たいして変わりはないと思うからです。

また大きい病院(企業)だったら安心だと思い、相手の言った事を鵜呑みにしていると、例えば生命保険会社のカモになると思うのです。

ここ最近は皆さんもご存知のように、かんぽ生命の不正販売問題が世間を騒がせております。

これの職員にだまされた方は、かんぽ生命のような大きな企業だったら安心だと思い、契約内容をしっかりと確認しないで、契約を済ませた可能性があるのです。

もしかんぽ生命のような大きな企業でも、悪い事をするかもしれないと考え、契約内容をしっかりと確認していたら、だまされないで済んだかもしれません。

ところで株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパン(J.D.パワー)は、直近1年以内に生命保険を新規に契約、または更新した顧客を対象に、生命保険の契約プロセスに関する満足度調査を実施しました。

その結果は「J.D.パワー2019年生命保険契約満足度調査」にまとめられておりますが、業界平均よりも高い満足度を獲得した上位の12社は、次のようになっております。

1位:プルデンシャル生命
2位:ソニー生命
3位:東京海上日動あんしん生命
4位:ジブラルタ生命
5位:メディケア生命
6位:メットライフ生命
7位:ライフネット生命
8位:マニュライフ生命
9位:アクサダイレクト生命
10位:富国生命
11位:損保ジャパンひまわり生命
12位:オリックス生命

以上のようになりますが、ランキングの上位は新興勢力の、「カタカナ系」や「損保系」が占めております。

また老舗で知名度の高いかんぽ生命や、4大生保(日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命)は、ひとつも登場しておりません。

こういったものを見ていると、病院だけでなく生命保険会社も、ブランドで選んではいけないと思いました。
posted by FPきむ at 20:18 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月03日

がんの名医ががん保険に入らない理由に、共感できる点と突っ込みたい点

令和元年(2019年)6月21日のNEWSポストセブンを読んでいたら、がんの名医ががん保険に入らない理由 自費治療は必要ない?と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『「がん治療には高額な治療費がかかり、その実情を知っている医師たちは、さぞや手厚い保障が受けられる保険に入っているのだろう」──そう感じる人も多いだろう。

しかし取材の結果、いちばん多かった回答は「がん保険には加入していない」というもの。具体的には13人中6人、つまり約半数は加入していなかったのだ。

その理由を、放射線によるがん治療に詳しい北海道がんセンター名誉院長の西尾正道さんが話す。

「手術をはじめとした基本的ながん治療は、保険診療で対応できると考えています。たとえ抗がん剤や放射線治療で高い治療費がかかったとしても、日本には『高額療養費制度』というものがあり、自己負担額が一定の金額以上にはならないようになっているのです」

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った金額が、ひと月で上限額を超えた場合、その超過額を支給してもらえる制度のこと。

収入額によって負担額が異なるが、たとえば69才以下で年収が約370万円以下の人なら月5万7600円が自己負担の限度額となり、それ以上の金額は基本的には戻ってくる仕組みになっている。

この制度でまかなえるのは基本的には、手術・抗がん剤をはじめとした薬物治療・放射線治療といった「標準治療」だ。

だが、がん治療をとりまく状況は日々進歩しており、標準治療以外にも「免疫療法」や「国内未承認の抗がん剤治療」など、さまざまな治療法がある。

これらは基本的に保険適用がなく、治療費をすべて自己負担でまかなわなければならないことが多い。しかし、多くの医師たちは「メリットが少ない」と言う。

『がんで助かる人、助からない人』(旬報社)の著書がある、がん専門医の近藤慎太郎さんはこう語る。

「自費でしか受けられない高額な治療は、受けるメリットがはっきりしていないのが実情です。がん保険の中には自由診療も負担することをうたう商品も多いですが、そこまでカバーする必要性はあまり感じません」

つまり、保険診療で受けられる「標準治療」こそが、多くのエビデンス(医学的証拠)によって実証された最良の治療法であり、それを受けるためには、ある程度の貯金があれば大丈夫というわけだ』

以上のようになりますが、がん保険に入ろうか悩んでいる方が読むと、参考になる点が非常に多い、良い記事だと思いました。

個人的にはこの記事の中の、次のような点に共感でき、また突っ込みたい気持ちになりました。

(1)保険診療で受けられる標準治療が最良の治療法
若くしてがんで亡くなった芸能人や経営者が、標準治療ではなく代替療法を選んでいた、また代替療法ではなく標準治療を選んでいたら、命を落とさずに済んだという報道を耳にした事があります。

がんの名医の「保険診療で受けられる標準治療が最良の治療法」という言葉は、これを裏付けるものだと思いました

また自費でしか受けられない高額な治療や、それをカバーするがん保険についての否定的な意見を記載し、読者の負担増を抑えようとしている点に共感しました。

(2)がんの医療費は高いが公的医療保険の保険給付がある
がん保険のパンフレットなどを見ると、がんになった場合には、かなりの医療費がかかるという印象を受けます。

しかし公的医療保険の保険給付があるため、実際はパンフレットなどに表示されている金額の、1割〜3割の自己負担で済みます。

そのうえ上記のように高額療養費制度がありますし、また健康保険に加入している会社員は、休職する前の給与の3分の2程度になる「傷病手当金」を、最長で1年6ヶ月に渡って受給できます。

またがんによって一定の障害状態に該当した場合には、障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金など)を受給できる場合があるのです。

こういった公的医療保険の保険給付を紹介して、読者の負担増を抑えようとしている点に共感しました。

(3)高額療養費制度があっても貯金で医療費を賄えない方がいる
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が実施した、「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」によると、貯蓄額が「0円」という方が、23.1%もいたのです。

また貯蓄額が「1万円〜50万円以下」という方は24.6%のため、30代と40代の半分くらいは、貯蓄額が0円〜50万円以下なのです。

ですから「ある程度の貯金があれば大丈夫」というアドバイスに対しては、「ある程度の貯金すらない方は意外に多いですよ」という、突っ込みを入れたいと思います。

またお金があると使ってしまうため、貯金が苦手という方は、がん保険に加入し、貯金ではなく保険で医療費を賄うという発想に切り替えても、良いのではないかと思いました。

(4)通院の場合には高額療養費制度のありがたみが薄れる
例えば入院して手術を受ける場合には、上記の自己負担限度額より遥に高い医療費がかかるため、高額療養費制度のありがたみを感じると思います。

それに対して通院で長期に渡って治療を続ける場合には、1月あたりの医療費が自己負担限度額に達しない可能性があるため、高額療養費制度のありがたみが薄れます。

しかも近年は医療技術の進歩や、医療費を抑制したい政府の意向などにより、入院期間が短期化しているのです。

ですから「通院での治療に備えるため、通院保障に細かな支給要件がないがん保険であれば、検討しても良いのでは?」という、突っ込みを入れたいと思います。
posted by FPきむ at 20:36 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする