平成22年(2010年)の「生涯未婚率」は男性が20.14%、女性は10.61%になりますが、30代後半の世代が50歳に届く10年後には、男女共に倍増するという予測もあります。
注:生涯未婚率とは50歳になった時点で、一度も結婚をした事がない方の割合を示します。
このように生涯を通じて、独身で生きていこうとする男女が増えると、そういった方々のニーズに答える、様々な商品やサービスなどが考え出されますが、将来の不安をなくす保険の選び方
ただ「シングル女性のための保険ガイド」という、副題が付いている事からわかるように、おひとりさまの女性に向けた、保険のガイドブックになりますが、特に気になった部分を紹介しますと次のようになります。
(1)おひとりさまの女性に必要な生命保険
おひとりさまの女性が加入すべきなのは、次のような生命保険になると、将来の不安をなくす保険の選び方
■病気・ケガ・介護に備える保険(医療保険、介護保険など)
もっとも加入すべきなのは、ガン保険を含む医療保険になるようですが、その理由は次のように記載されております。
『とくにシングル女性の場合、退院しても世話をしてくれる家族がいない、通院が難しいなどの理由から、入院が長引いて負担が大きくなりがちなので、きちんと保険に入っておくと安心です』
『もしものときに支えてくれるパートナーがいないシングル女性は、保険の必要性は高くなります。例えばフリ−ランスで働く人やペットを飼っている人は、入院給付金は多めに準備しておくと安心です』
以上のようになりますが、「医療保険の入院給付金の目安額」については、6月23日のブログで紹介しました。
この中の「入院時にかかる費用の目安額」に、ペットに関する費用(ペットホテル代、ペットを預かってくれた方に対する謝礼など)も含めた方が良いというのは、既婚者に対するアドバイスとは少し違うと思いました。
また医療保険と同様に重要度が高いのは、介護保険になるようですが、将来の不安をなくす保険の選び方
・「あんしん介護(年金)終身タイプ」(朝日生命)
・「コープの介護保険」(損害保険ジャパン)
なおこの本の特徴として介護保険以外についても、著者の山田さんがおすすめする、具体的な商品名がいくつも紹介されておりますが、これらは役に立つと同時に、期間が経過すると保障内容などが変わるので、そのまま利用する事はできなくなります。
■貯める保険(養老保険、個人年金保険、外貨建て保険など)
病気・ケガ・介護に備える保険に次いで加入すべきなのは、老後の生活資金などに活用する、貯める保険になるようですが、次のようなデメリットがあるため、過剰に加入してはいけないようです。
『あくまでも資金づくりのメインは貯蓄で、保険はサブ。保険で貯めるのは一部にとどめましょう。保険は中途解約すると元本割れなどのペナルティがあり、いざ現金が必要になったときに困ります。
また、現時点では有利だったとしても、10年、20年と時間がたつうちに魅力が薄れる可能性があります』
■死んだときの保険(死亡保険)
基本的に必要ないのが、死んだときの保険になりますが、『葬儀代など死後の整理資金を残したい場合は、100〜300万円程度の死亡保障を備えてもよいでしょう』と記載されております。
(2)おひとりさまの女性に必要な損害保険
一般的に生命保険の本には、生命保険の事だけが記載されており、損害保険の本には、損害保険の事だけが記載されております。
しかし将来の不安をなくす保険の選び方
■住まいの保険
住まいの保険とは「住宅総合保険」、「住宅火災保険」、「地震保険」などになりますが、『築年数などの割引きを利用したり、5年などの長期の契約をすると保険料が安くなります』といった、保険料を安くするためのアドバイスなどが記載されております。
■自動車保険(任意保険)
自動車を運転する方なら、とても身近な損害保険だと思いますが、おひとりさまの女性が加入する場合は、次のような点に注意すべきだとしております。
『民間の自動車保険の多くに示談交渉サービスが付いていますが、事故後のサポート体制は保険会社によって大きく異なります。頼れる人が少ないシングル女性の保険選びでは、保険料の安さだけでなくサービス内容もしっかり吟味しておきたいものです』
■個人賠償責任保険
これは少し意外な感じがしましたが、おひとりさまの女性に個人賠償責任保険が必要な理由については、次のように記載されております。
『買い物にもちょっとした遠出するときにも、便利に使える自転車はエコで手軽な移動手段としてあらためて注目されています。
ただ、日本では自転車専用道路がほとんど整備されていないこともあって、自転車同士あるいは自転車対歩行者の事故が増えています。事故相手が大ケガを負ったり死亡するなどしたら、多額の治療費や慰謝料が請求されるおそれもあります…(中略)…
自転車に乗っているときの事故のほかにも、飼い犬が他人を噛んでケガをさせてしまったとき、買い物中にあやまってお店の売り物を壊してしまったときなども補償の対象になります』
以上のようになりますが「火災保険」、「自動車保険」、「傷害保険」、「自転車保険」、「ゴルフ保険」、「テニス保険」などに、特約で個人賠償責任保険が付けられないかを、調べてみるべきだとしております。
(3)実際に保険に加入する際のアドバイス
将来に発生する可能性のあるリスクに備えて、(1)や(2)で紹介したような保険に加入するのは、とても大切な事ですが、貯蓄する事も同じように大切であり、そのバランスについては、次のようなアドバイスが記載されております。
『手取り収入の10%〜20%を貯蓄に回すためには、保険料は5%が限度、手取り300万円で年間15万円です。
損害保険も含めた保険料がこの金額で収まるようにしましょう(貯める保険の保険料は貯蓄とみなしてもOKです)』
また柔軟な見直しができるように、主契約の死亡保険に特約で医療保障や、介護補償を付けるのではなく、単品の医療保険や介護保険に加入した方が良いというアドバイスも、個人的にはとても参考になりました。