先日本当に安心な「保険の選び方・見直し方」
『このところ、地震、竜巻、ゲリラ豪雨などの自然災害が相次ぎ、住まいや財産を失った人がたくさんいます。住まいを再建するには数千万円のお金が必要ですし、住宅ローンがあればそれも返さなくてはなりません。
ところがそんなときの国の援助はわずか。火災保険や地震保険といった保険で備えておかないと大変なことになりかねません。
保険について相談を受けたり、被災地を訪ねたりするたびに強く感じるのが、「必要性の低い保険にお金を払い、本当に必要な保険に入っていない人が多い」ということです』
著者の清水さんが考える必要性の低い保険とは、ヒトの病気、ケガ、障害、死亡などに備える保険、例えば生命保険や医療保険になりますが、その理由について本当に安心な「保険の選び方・見直し方」
『対して病気やケガで入院、通院すれば健康保険が使えるなど、ヒトについては公的保障が充実しています。
ほかにも、夫(生計維持者)が死亡すれば遺族年金、障害を負えば障害年金が受け取れますし、働けない期間は給与の一部が保障される制度もあります。
これらは健康保険料や年金保険料を支払っていることで得られる保障であり、言い換えれば、すでに私たちは保障を「買っている」ということです。
生命保険や医療保険に入るということは、さらにお金を払って保障を上乗せするということ。
本当にそこまで保障が必要かをしっかり考えるべきで、「公的保障で足りない分を、民間の保険で補う」というのが、ムダのない考え方です』
つまりヒトの病気、ケガ、障害、死亡などに対しては、公的保障が充実しているので、それに備える保険は必要性が低いという事になり、公的保障で足りない分だけ入れば十分だとしております。
それに対して著者の清水さんが考える本当に必要な保険とは、家や車などモノの損害に備える保険、例えば火災保険、地震保険、自動車保険になります。
また子供が「自転車事故を起こし、相手に後遺症の残るケガを負わせてしまった」、「他人の車に落書きをした」、「他人の家の窓ガラスを割ってしまった」などに備える、個人賠償責任保険になります。
注:個人賠償責任保険は単品の保険に加入するより、火災保険や自動車保険などに、特約として付けるのが一般的になります。
その理由としてヒトの病気、ケガ、障害、死亡などのように、公的保障が充実していないからですが、本当に安心な「保険の選び方・見直し方」
『自然災害によって住まいが一定以上の損害を受けた場合には、国から支援金が受けられます。それが「被災者生活再建支援制度」という制度で、支給される額は左図のとおり。
建物の倒れ具合によって支給される支援金(基礎支援金)と、その後の対処に応じた支援金(加算支援金)との合計額です。
全壊とは住宅全部が壊れたり、津波で流されるなど、元通りに修復するのが難しい状態のことで、自治体が全壊と認めれば基礎支援金は100万円。
これに加えて、賃貸住宅に移り住んだ場合は50万円、建物を再築するなら200万円が受け取れます。
でも、それだけでは不十分、300万円ではマイホームを再築することはできませんし、家が全壊すれば家財道具の多くも買い替えることになりますから、賃貸に住むとしてもキツイでしょう。「助けはあるけど足りない」と覚えておきましょう』
こういった考え方に基づき著者の清水さんは、具体的な保険の選び方や見直し方について解説していきますが、特に参考になったのは次のような、「ほったらかしはダメ。保険金額を正しく設定しよう」という部分になります。
『生命保険では、死亡時に3000万円など、希望する保険金額で契約し、契約した金額を受け取ることができます。対して火災保険では、保険金額は「同じレベルの家を再築(再取得)するために必要な金額」で設定されます…(中略)…
たとえば3000万円で契約したものの、その後建築費が下がり、再築に2000万円しかかからないとしましょう。
この場合、受け取れる保険金は2000万円。1000万円分の保険料は払い過ぎたことになります(申し出れば払い戻しされます)。
逆に3000万円で契約したのに、人件費の値上がりなどで再築費が4000万円かかるとしたら、再築に必要な金額には届きません。
長期契約で契約したまま、長年ほったらかしという人は多いよう。加入している損害保険会社に問い合わせれば保険金額が正しいかを確認してくれますので、5年程度を目安に保険金額が正しく設定されているかチェックしてもらいましょう』
以上のようになりますが、理想的にはヒトの病気、ケガ、障害、死亡などに備える保険と、モノの損害に備える保険のどちらについても、十分な保障を付けるべきだと思います。
ただ給与が右肩上がりに増えていかない今のような時代に、そんな事をしていたら保険貧乏になってしまいます。
ですから必要性の低い保険は思い切って削減して、その削減により発生した資金を、本当に必要な保険に回すという、保険のメリハリが必要になると思うのです。