2012年07月07日

健康保険や医療保険以外の制度も病気やケガの治療に活用する

病気やケガになった際には保険証を持って医療機関に行き、医師などから治療を受けますが、それが終われば医療費の1割〜3割にあたる、自己負担分を支払います。

それだけの自己負担で済んでしまうのは健康保険から、医療費の7割〜9割が支払われているからです。

また医療保険に加入している方には保険会社から、手術給付金や入院給付金などが支払われます。

このように健康保険や医療保険は病気やケガになった際に、とても役立つ制度になりますが、次のような「医療費公費負担制度」を、これらにプラスして活用できる場合があります。

(1)自立支援医療(更生医療)
身体障害者手帳を持つ18歳以上の方が、次のような機能障害を軽減または改善し、職業能力を向上させたり、日常生活を容易にしたりするために給付される、医療費公費負担制度になります。

・視覚障害によるもの
・聴覚、平衡機能の障害によるもの
・音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害によるもの
・肢体不自由によるもの
・心臓、腎臓、小腸または肝臓の機能の障害によるもの
・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害によるもの

市区町村の窓口などに申請すると受給者証が発行されますので、それを医療機関の窓口に提出すると、医療費の自己負担が原則1割になります。

(2)自立支援医療 (育成医療)
18歳未満で身体に障害があり、そのまま放置すると障害を残すおそれのある疾患を残す方に対して、治療によって障害が回復したり、機能改善の見込みがあったりする場合に給付される、医療費公費負担制度になります。

なお対象となる身体の障害や申請手続き、自己負担割合などについては、上記の更生医療と同様になりますが、つまり18歳以上の方は更生医療、18歳未満の方は育成医療を活用する事になります。

(3)自立支援医療 (精神通院医療)
次のような精神疾患を有し、通院による精神医療を継続的に必要とする方に給付される、医療費公費負担制度になります。

・病状性を含む器質性精神障害
・精神作用物質使用による精神および行動の障害
・統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害
・気分障害
・てんかん
・神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害
・生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
・成人の人格および行動の障害
・精神遅滞
・心理的発達の障害
・小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害

なお申請手続きや自己負担割合などについては、更生医療や育成医療と同様になります。

(4)養育医療
身体の発育が未熟なまま生まれ、次のいずれかの症状を有する未熟児が、指定医療機関において入院治療を受ける場合に給付される、医療費公費負担制度になります。

・けいれん、運動異常
・体温が摂氏34度以下
・強いチアノーゼなど呼吸器、循環器の異常
・くり返す嘔吐(おうと)など消化器の異常
・強い黄疸(おうだん)

治療に要する医療費の自己負担分は公費により賄われますが、世帯所得によっては一部が自己負担になります。

(5)小児慢性特定疾患治療研究事業
次のような症状を有する18歳未満の児童の健全育成を目的として、疾患の治療方法の確立と普及、患者家庭の医療費の負担軽減につながるように、医療費の自己負担分を補助する、医療費公費負担制度になります。

・悪性新生物(白血病、悪性リンパ腫、神経芽腫など)

・慢性腎疾患(ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、水腎症など)

・慢性呼吸器疾患(気管支喘息、気管狭窄など)

・慢性心疾患(ファロー四徴症、単心室など)

・内分泌疾患(成長ホルモン分泌不全性低身長症など)

・膠原病(若年性関節リウマチなど)

・糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病)

・先天性代謝異常(アミノ酸代謝異常、骨形成不全症など)

・血友病など血液、免疫疾患(血友病、慢性肉芽腫症など)

・神経、筋疾患(ウエスト症候群、結節性硬化症など)

・慢性消化器疾患(胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症など)

(6)特定疾患治療研究事業
原因不明、治療方法が未確立、後遺症を残すおそれが少なくない難病のうち56疾患について、自己負担分の一部を国と都道府県が助成する、医療費公費負担制度になります。

以上が医療費公費負担制度の一部になりますが、これらの制度は申請して認定されなければ利用できません。

また申請する以前の自己負担分は戻ってきませんので、該当するものがあれば早めに申請した方が良いのです。
posted by FPきむ at 19:56 | 医療保険に加入した後に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

医療保険やガン保険の手術給付金が支払われない場合

どの保険会社の医療保険やガン保険に加入しても、共通して支払われる給付金として、「入院給付金」と「手術給付金」があります。

入院給付金とはかかった医療費に関係なく、1日あたり数千円から数万円の現金が、入院した日数だけ支払われる給付金になります。

また手術給付金とは入院の有無を問わず手術をした場合に、一時金として現金が支払われる給付金になりますが、その金額は入院給付金の日額に、手術ごとに定められた一定の倍率を掛けて算出されます(どんな手術をしても、手術給付金が一律の医療保険もあります)。

■手術の種類による倍率の例
【手術の種類→倍率】
胃切除術→40倍
体内用ペースメーカー埋込術→20倍
子宮外妊娠手術→20倍
緑内障観血手術→20倍
帝王切開娩出術→10倍
ヘルニア根本手術→10倍
中垂切除術・盲腸縫縮術→10倍

しかし手術をすれば必ず手術給付金が支払われる訳ではなく、保障対象となる手術については、保険会社から加入時に渡される保険約款に記載されております。

主要な手術はほとんど手術給付金が支払われますが、扁桃腺の手術など手術給付金の対象にならない手術があり、その他にも抗ガン剤治療など薬物を使った治療は、体への負担が大きくても手術ではないので、手術給付金が支払われない場合が多いのです。

また保険約款に記載されているのは「どんな病気の手術か」ではなく、「どんな術式か」ですので、同じ病気の手術でも術式が変わると、手術給付金が支払われない場合があり、また同じ病気の手術でも術式によって、倍率が変わってきます。

例えばガン(悪性新生物)の手術でも術式が変わると、下記のように倍率が変わってくる場合が多いのです。

悪性新生物根治手術→40倍
悪性新生物温熱療法→10倍
その他の悪性新生物手術→20倍

緊急の時以外には手術前に医師から、「どういった内容の手術を行うのか」、「そのリスクは」といった内容を、手術の説明書を用いて説明を受けますが、患者は手術に関する説明を受けた事に同意し、サインをする必要があります。

その説明書の施術方法を記入する欄には、「○○術」とその術式が記載されておりますが、その術式と保険約款を照らし合わせると、手術後に手術給付金が支払われるのか否か、もし支払われるなら金額がいくらになるのかがわかります。

もし保険約款を読んでもわからない場合には、手術の説明書を保険会社に提出し確認してもらえば、手術後に手術給付金が支払われるのか否か、もし支払われるなら金額がいくらになるのかがわかります。

これらの確認をしておくと、後でトラブルになる事を避けられますが、確認をする前に手術を受けた場合や、入院をしないで手術だけを受けた場合には、「医師の診断書」を病院に請求する前に、手術給付金が支払われるのか否かを、保険約款や保険会社への問い合わせで、確認しておいた方が良いのです。

医師の診断書を病院からもらうためには、3,000円から10,000円程度の費用がかかりますが、診断書をもらった後に手術給付金が支払われないとわかると、診断書の費用が無駄になってしまうからです。

ただ入院して手術を受けた場合には、入院給付金を保険会社に請求する時に医師の診断書が必要になりますので、手術給付金が支払われるのか否かを、事前に確認しなくても構いません。

また医師の診断書をもらい、保険会社に手術給付金を請求する前に、診断書の術式欄と、手術前に医師から渡された手術に関する説明書の術式欄を照会し、同じになっているかを確認しておいた方が良いのです。

もし同じになっておらず、その事を患者側に知らされていなかったら、保険会社にきちんと事情を説明できるように、医師から同じになっていない理由について、説明を受けておきます。

以上が医療保険やガン保険の手術給付金が支払われない場合になりますが、3月3日のブログで紹介した入院給付金が支払われない場合のうち、詐欺や告知義務違反などについては、手術給付金にも適用されるので注意が必要です。
posted by FPきむ at 20:21 | 医療保険に加入した後に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする