2012年06月16日

入院時にかかる費用の目安額

医療保険に加入しようと思い、保険会社にパンフレットなどを請求した時、そこに記載されている「入院時にかかる費用の目安額」の大きさに、驚いた方もいるかと思います。

その費用が高額になる理由として、入院時に差額ベッド代を支払った場合を想定しているからですが、すべての方が差額ベッド代を支払う訳ではありませんし、看病のため家族が病院に通う費用などは個人差があります。

しかし入院時にかかる費用の目安額がわからなければ、医療保険の入院給付金をいくらに設定すれば良いかの見当がつきませんので、入院時にかかる費用の目安額を示しますと以下の合計額になります。

(1)入院関連の費用
【医療費の自己負担】
入院や手術をすると高額な医療費がかかると思ってしまいますが、実際は医療費がかなり高額になっても、1ヶ月あたり9万円前後で済んでしまいます。

それは高額療養費(4月5日のブログを参照)という制度があるからで、例えば1ヶ月入院して100万円の医療費がかかった場合には、退院時に3割の30万円を医療機関の窓口に支払いますが、後で協会けんぽなどから21万円(30万円−9万円)が払い戻されます。

しかし後で払い戻されるとはいえ、退院時に多額の医療費を立て替えるという弱点があったのですが、法律の改正により協会けんぽなどに申請して、「限度額適用認定証」の交付を受けると、9万円以上は医療機関から請求されなくなります。

また法律の改正により高額介護合算療養費(11月21日のブログを参照)という制度ができましたので、70歳以上の方は医療費の自己負担に介護保険の自己負担をプラスして、一定の上限を超えた分が払い戻されるようになりました。

【食事の自己負担】
入院時の食事代には、入院時食事療養費(11月9日のブログを参照)という補助費が出ますので、食事代がいくらになっても1日あたり780円(260円×3食)で済みますが、所得によっては780円より安くなります。

【差額ベッド代】
選定療養(10月31日のブログを参照)のひとつである差額ベッドですが、4人以下の部屋で一定の要件を満たす病室に入院した場合、差額ベッド代が発生します。

しかし上記のような病室に入院したからといって、患者の同意がない場合には、差額ベッド代を支払う必要はありません。

また差額ベッド代は医療機関によって違いがありますので、かかりつけの病院や、最も入院する確率が高い総合病院のベッド代を調べておくと、より正確な入院時にかかる費用の目安額がわかります。

【評価療養】
評価療養(10月31日のブログを参照)とは高度先進医療や、保険が適応されない医薬品や医療機器を使った治療を示しますが、これらは全額自己負担になります。

ただ差額ベッド代のように、評価療養にかかる費用を見積もるのは不可能に近いですし、そもそも評価療養を受ける可能性は低いので、入院時にかかる費用の目安額を見積もる時に、外して考えても良いと思います。

もしそれでは心配という方がいたら、評価療養にかかる費用は入院給付金でカバーするのではなく、先進医療の特約から支払われる給付金でカバーすると発想を切り替え、医療保険に特約を付けます。

【雑費】
これは個人差がある費用になりますが、だいたい以下のような費用が考えられます。

・雑誌や書籍代

・看病のため家族が病院に通う費用や入退院時の交通費

・入院時に使う寝巻きやパジャマ、洗面用具の費用

・小さな子供がいる家庭で近くに両親や友人などが住んでいなければ、ベビーシッターを雇うための費用

・お見舞い返し

(2)生活維持の費用
生活維持の費用とは入院の有無に関係なく、通常の生活を送るうえで必要となる費用ですが、例えば次のようなものがあります。

・食費や水道光熱費

・家賃や住宅ローン

・子供の教育費

・生命保険や火災保険などの保険料

以上のようになりますが食費や水道光熱費などは、医療保険の被保険者が入院した分だけ減額します。

しかし家賃や住宅ローンなどは入院の前後で変わりませんので、その点には注意して、入院時にかかる費用の目安額を見積もる必要があります。

また会社員の方は仕事を休むと、その期間は収入がなくなる場合が多いと思いますが、住民税、健康保険と厚生年金保険の保険料は、入院中も支払い続けなければなりません(所得税と雇用保険の保険料は支払わなくて構いません)。

自営業者の方も考え方は同じですが、国民年金には保険料の免除制度がありますので、入院が長引く場合には未納にするのではなく、この制度の活用をおすすめします。

また国民健康保険にも保険料の減額措置制度などがありますので、未納のまま放置せず市区町村の窓口にご相談下さい。

追記:
入院時の食事代の自己負担である「食事療養標準負担額」は、平成28年(2016年)4月から、段階的に値上げされます。

具体的には現在の「1食につき260円」が、平成28年(2016年)4月から360円になり、平成30年(2018年)4月から460円になります。
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2011年04月19日

医療保険は単品で加入する方が良い

男性の場合は終身保障の生命保険に加入し、その生命保険に「入院特約」を付加しているようなケースが、多いのではないかと思います。

死亡保障も医療保障も一つの保険で済んでしまうと、「一粒で二度美味しい」ではないですが、とてもお得なように感じてしまいます。

でもこのような入院特約はあまりお薦めできず、医療保障は単品の医療保険でカバーした方が良いのではないかというのが、今日のブログのテーマです。

その理由は主契約である終身保障の生命保険を解約すると、入院特約もなくなってしまう点です。

例えば定年を迎えて、終身保障の生命保険の必要性がなくなってきたので、解約を検討している方がいたとします。

もしこの時に病気になっていたら、新たな医療保険に加入できなくなる場合が多いので、終身保障の生命保険を解約してしまったら、医療保障は何もなくなってしまいます。

しかし若い健康なうちから、単品の医療保険に加入していれば、終身保障の生命保険を解約しても医療保障は残るので、柔軟な保険の見直しができます。

もうひとつ例を挙げるなら今度は女性のケースで、夫の生命保険に「家族型入院特約」を付け、単品の医療保険の代わりにしているケースです。

このケースでは夫が先に死亡した時に、妻が病気になっていたら、新たな医療保険に加入できない場合があり、その時には医療保障は何もなくなってしまいます。

ライフステージに合わせた、柔軟な保険の見直しを可能にするため、また万が一の時のリスク分散のため、男性にも女性にも単品の医療保険をお薦めします。
posted by FPきむ at 13:40 | 医療保険に加入する前に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする