2012年06月23日

医療保険の入院給付金の目安額

6月16日のブログでは1ヶ月あたりの、「入院時にかかる費用の目安額」について紹介しました。

また6月20日のブログでは1ヶ月あたりの、「入院時に確保できる収入の目安額」について紹介しましたが、「入院時に確保できる収入の目安額−入院時にかかる費用の目安額」により、1ヶ月あたりの「入院時に家計が不足する金額」がわかります。

この金額を30で割り1日あたりの不足額を導き出し、この不足額を医療保険の入院給付金で補いますが、福利厚生が充実している会社に勤務している方は、5,000円を下回ってしまう場合もあります。

このような方は入院給付金を5,000円に設定しておけば安心ですが、健康保険から支払われる傷病手当金(3月29日のブログを参照)のない自営業者の方は、5,000円を超えてしまう場合が多いと思います。

ですから自営業者の方は入院給付金を、最低でも1万円に設定しておきたいところですが、預貯金が十分にあるという方は、入院給付金を5,000円に設定し、残りは預貯金で補うという考え方でも構いません。

また6月11日のブログで紹介しましたように、「1入院あたりの限度日数」が60日の医療保険に5,000円、120日の医療保険に5,000円という加入の仕方も考えられます。

最初に医療保険に加入する時の入院給付金の目安額は、以上のように算出しますが、高校や大学を卒業してから死亡するまでの間に、転職をしたり結婚をしたりと、何かしらの生活の変化があるはずです。

また自分自身の生活に全く変化がなくても医療技術が進歩し、新たな手術方式に対応した医療保険が販売される場合があります。

このような生活の変化や医療技術の進歩は、医療保険の保障内容を見直す良いタイミングになりますが、例えば次のような場合が考えられます。

(1)就職して社会人になった時
高校や大学を卒業して初めて社会人になった時が、最初に医療保険に加入する良いタイミングだと思いますが、3月21日のブログで解説しましたように特殊な事情がなければ、生命保険はまだ加入する必要はないと思います。

初めて社会人になった時が、どうして医療保険に加入する良いタイミングなのかと申しますと、入社したばかりの頃は預貯金が十分にないと思いますので、病気やケガで入院するような事態が発生した場合、預貯金だけではカバーできない場合が多いからです。

また若いうちは健康状態が良い場合が多いですので、加入できる医療保険の選択肢が多くなると同時に、若いうちに加入すると保険料も安くなるからです。

一般的な会社員の方でしたら、健康保険から支払われる高額療養費(4月5日のブログを参照)がありますので、1ヶ月の医療費の負担は9万円前後で済んでしまいますが、これを30で割り1日あたりの負担額を算出すると、3,000円程度になります。

これに食事療養標準負担額(11月9日のブログを参照)の780円を足すと3,780円になりますが、この金額に多少の雑費を足しても5,000円は超えないと思いますので、新社会人の入院給付金は5,000円で十分だと思います。

(2)転職をした時
会社員から自営業者に転職した時は特に、入院給付金を増額する必要がありますが、弁護士や税理士など守秘義務のある職業に転職した場合には、個室に入院する必要性が高くなります。

ですから差額ベッド代(10月31日のブログを参照)の負担も考慮して、入院給付金の金額を設定する必要があります。

ただ弁護士や税理士には同種の業種、または事務所に従事する者を組合員とする国民健康保険組合があり、これに加入する事により医療費の負担をカバーできる場合があります。

詳しくは全国国民健康保険組合協会のホームページを、確認していただきたいと思いますが、都道府県と市区町村が運営する国民健康保険より、保障内容が充実している国民健康保険組合が多いのです。

(3)結婚した時
男性の方は結婚を機に生命保険に加入し、その生命保険に特約として自分と妻の医療保障を付けているかもしれませんが、その問題点については4月19日のブログで紹介しました。

ですから夫も妻も特約より保険料は高くなりますが、単品の医療保険に加入した方が良いのです。

(4)子供が生まれた時
子供が学校に通っている間は、親が入院中でも教育費はかかりますし、また子供が生まれた事を期に一戸建てなどを購入すれば、入院中でも住宅ローンの支払いは待ってくれません。

ですから子供が生まれた時に生命保険を見直すと同時に、医療保険を見直してみるのも良いと思います。

ただガン保障特約付の団体信用生命保険(4月29日のブログを参照)や、三大疾病保障付の団体信用生命保険(5月2日のブログを参照)に加入している方は、医療保険にもガンや三大疾病の特約を付け、保障内容が重複しないように注意したいところです。

(4)末子が就職をした時
末子(最後に生まれた子供)が高校や大学を卒業して就職をした時は、生命保険を見直すと同時に、医療保険を見直す良いタイミングだと思いますが、一般的には高齢になるほど病気に罹りやすくなります。

ですから生命保険は必要ないと判断すれば、解約しても構わないと思いますが、医療保険は死亡するまで残しておきたいところです。
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2012年06月20日

入院時に確保できる収入の目安額

6月16日のブログでは「入院時にかかる費用の目安額」について紹介しましたが、出費ばかりではなく次のような、入院時に確保できる収入もあります。

(1)傷病手当金
傷病手当金(3月29日のブログを参照)とは、健康保険の加入者が業務外の病気やケガで仕事を休み、そのため給与が支払われない場合に、1日あたり標準報酬日額(10月3日のブログを参照)の、6割程度が支払われる制度です。

病気やケガで療養をしている時に、収入の軸となるのが傷病手当金になりますが、自営業者の方などが加入する国民健康保険には、傷病手当金の制度がありません。

ですから医療保険の入院給付金をいくらに設定するか決める際には、自営業者の方は会社員や公務員よりも、多めに設定しなければなりません。

なお傷病手当金は非課税になりますので、年末調整や確定申告の時に、収入として申告する必要はありません。

また業務上の傷病や通勤災害のため休業し、そのため給与が支払われない場合には、労働者災害補償保険(以下では労災保険で記述)から、休業(補償)給付(5月7日のブログを参照)が支払われますが、自営業者の方には休業(補償)給付も支払われません。

ただ労災保険に特別加入(6月25日のブログを参照)をする事により、休業(補償)給付が支払われる場合もあります。

(2)配偶者や家族の収入
自営業者の方は医療保険の入院給付金を、多めに設定した方が良いと(1)で記載しましたが、配偶者や家族が同じ仕事に就いており、入院前と変わらず事業を行っていけるなら、入院給付金を多めに設定しなくても構いません。

また会社員や公務員の方は共働きで、傷病手当金と配偶者の収入を合わせ、入院前と変わらない生活水準を維持できるのであれば、入院給付金を削減する事もできます。

(3)勤務先が実施している福利厚生制度
会社員や公務員の方は福利厚生として、次のような制度を利用できる場合がありますが、これらも入院時に確保できる収入になります。

【会社の規定による傷病見舞金】
従業員が業務外の病気やケガで仕事を休んだ場合に、「一律○○円」という形で支払われるのが傷病見舞金になります。

詳細については福利厚生制度について解説している冊子や、就業規則10月24日のブログを参照)などに記載されていると思いますので、そちらをご確認下さい。

【労働組合の規定による入院共済金】
組合員が業務外の病気やケガで仕事を休んだ場合に、「一日○○円」という形で支払われるのが入院共済金になります。

詳細については労働組合に問い合わせてみますが、会社によって組合員になれる範囲が異なりますので、その辺りについても聞いておくと良いと思います。

【共済会(互助会)の弔慰規定による入院見舞金】
共済会(互助会)の会員が業務外の病気やケガで仕事を休んだ場合に、「一律○○円」という形で支払われるのが入院見舞金になります。

詳細については福利厚生制度について解説している冊子などに、記載されていると思いますので、そちらをご確認下さい。

【組合健保や共済組合の上乗せ給付】
勤務先の健康保険が「協会けんぽ」ではなく、「組合管掌健康保険」(以下では組合健保で記述)である会社員の方、もしくは共済組合に加入している公務員の方は法定給付に上乗せして、次のような付加給付が支払われる場合があります。

・高額療養費の上乗せ給付
入院や手術で医療費がかなり高額になっても、1ヶ月あたり9万円前後で済んでしまいますが、これは高額療養費(4月5日のブログを参照)という制度があるからです。

しかも組合健保や共済組合では、この高額療養費に上乗せ給付をしている場合があり、1ヶ月あたりの医療費の上限が、2万円〜4万円程度で済んでしまう組合健保や共済組合もあります。

・傷病手当金の上乗せ給付
冒頭で紹介した傷病手当金ですが、法定給付は1日あたり標準報酬日額の6割程度です。

しかし組合健保や共済組合では、この傷病手当金に上乗せ給付をしている場合があり、標準報酬日額の8割程度が支払われる、組合健保や共済組合もあります。

・差額ベッド代の上乗せ給付
4人以下の部屋で一定の要件を満たす病室に入院した場合、差額ベッド代(10月31日のブログを参照)が発生しますが、この差額ベッド代がかかった時に、その金額の一部を補助してくれる組合健保や共済組合もあります。

以上のようになりますが自営業者の方は、病気やケガに対する保障が会社員や公務員と比べて、とても少ない事がわかります。

これをカバーする方法として、医療保険の入院給付金を増額するという方法もありますが、国民健康保険組合が運営する国民健康保険に加入するという方法もありますので、詳しくは全国国民健康保険組合協会のホームページをご確認下さい。
posted by FPきむ at 20:36 | 医療保険に加入する前に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする