2022年02月01日

令和4年(2022年)中に実施される、公的保険に関する法改正

令和4年(2022年)中に実施される、公的保険に関する法改正には、主に次のようなものがあります。

■1月からの改正点
新年が始まる1月からは、雇用保険と健康保険に関連した、次のような法改正が実施されます。

(1)雇用保険の加入要件である労働時間の合算
雇用保険の適用事業で働いている方は、学生(夜間、定時制、通信制は除く)や、取締役(使用人兼務役員を除く)などの一部の方を除き、次のような2つの要件を満たす場合に、雇用保険に加入します。

・31日以上雇用される見込みがある
・1週間の所定労働時間が20時間以上ある

本業の他に副業をしている方の場合、後者の20時間以上という要件は、本業の労働時間のみで判断するのです。

そのため本業の労働時間が15時間、副業の労働時間が5時間という場合、通算すると20時間以上になるのですが、本業の労働時間が20時間未満のため、雇用保険には加入しません。

しかし法改正により1月からは、65歳以上の方が申し出た場合、本業と副業の労働時間(5時間以上のものに限る)を合算できるため、こういったケースでも雇用保険に加入するのです。

(2)傷病手当金の支給期間の通算化
健康保険の被保険者が4日以上に渡って、業務外の病気やケガで仕事を休み、給与を全く受けられない時は、休職する前の月給の3分の2程度になる「傷病手当金」が支給されます。

この傷病手当を受給できる期間は、支給開始から1年6ヶ月のため、いったん仕事に復帰した後に休職した場合、受給できる期間が短くなってしまうのです。

しかし法改正により1月からは、支給開始から通算して1年6ヶ月になるため、いったん仕事に復帰した後に休職した場合にも、1年6ヶ月分を受給できるのです。

(3)健康保険の任意継続被保険者に関する資格喪失要件の追加
2ヶ月以上健康保険の被保険者だった方は、退職から20日以内に所定の手続きをすると、退職する前に加入していた健康保険を、最大で2年利用できます。

この制度は「任意継続被保険者」と呼ばれ、都道府県と市区町村が運営する国民健康保険と共に、退職後の健康保険の選択肢になっているのです。

所定の手続きを行って任意継続被保険者になった方が、次のいずれかの要件に該当した場合、この被保険者の資格を喪失します。

・任意継続被保険者になった日から2年が経過した時
・死亡した時
・保険料(初めて納付すべき保険料を除く)を、所定の納付期日までに納付しなかった時(納付の遅延について正当な理由がある場合を除く)
・就職して健康保険の被保険者になった時
・就職して船員保険の被保険者になった時
・原則75歳になって後期高齢者医療の被保険者になった時

また法改正により1月からは、次のような内容の資格喪失要件が追加されるのです。

・任意継続被保険者でなくなる事を希望する旨を、厚生労働省令で定める所により、保険者(協会けんぽなど)に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来した時

これにより以前よりも、任意継続被保険者を辞めやすくなったので、国民健康保険の方が保険料などの面で、メリットがあるという場合には、こちらに移行した方が良いと思います。

■10月からの改正点
年に1度の定時改定によって、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の保険料の金額が変わる10月からは、次のような法改正が実施されるのです。

(1)後期高齢者医療の2割負担の新設
原則として75歳になると加入する、後期高齢者医療の自己負担の割合は、現役並み所得者は3割、それ以外の方は1割になります。

しかし法改正により10月からは、世帯内の後期高齢者(75歳以上)のうち、課税所得がもっとも多い方の課税所得が28万円以上あり、かつ次のような要件を満たす場合、自己負担の割合が2割になるのです。

単身世帯:年収が200万円以上
複数世帯:後期高齢者の合計年収が380万円以上

つまり後期高齢者医療の自己負担の割合が、「1割、2割、3割」という3段階になるのです。

(2)社会保険の適用拡大
社会保険(健康保険、厚生年金保険)の適用事業で働いている方が、次のような要件をすべて満たす場合、パートなどの短時間労働者でも社会保険に加入します。

A:1週間あたりの勤務時間が20時間以上
B:賃金の月額が8万8,000円(年収では約106万円)以上
C:1年以上雇用される見込みがある
D:学生でない
E:従業員数が501人以上の企業で働いている(労使の合意がある場合には、従業員数が500人以下の企業も含む)

この中のCの要件が法改正によって、10月から変更されるため、雇用される見込みが2ヶ月超の場合にも、社会保険に加入します。

またEの要件も法改正によって、10月から変更されるため、従業員数が101人以上の企業で働いている場合にも、社会保険に加入します。
posted by FPきむ at 20:17 | 公的保険の最新情報と法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする