2022年01月08日

令和4年(2022年)は「外貨建て保険」のトラブルが再び増加する

令和2年(2020年)5月11日の日本経済新聞を読んでいたら、外貨建て保険急ブレーキ 1〜3月の銀行窓販4割減と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『新型コロナウイルスの感染拡大で貯蓄性保険の販売に急ブレーキがかかっている。代表格である外貨建て保険の今年1〜3月の銀行窓口販売額は約6000億円強と、前年同期比で4割減ったもようだ。

世界的な金融緩和と金利低下で外国債券の利回りが急低下し、販売停止に追い込まれたためだ。個人マネーを吸収してきた貯蓄性保険は見直しを迫られている』

以上のようになりますが、この記事は新型コロナウイルスの影響により、外貨建て保険の販売に急ブレーキがかかった事を、マイナスに捉えている感じがします。

しかし個人的には外貨建て保険の販売に急ブレーキがかかった事を、プラスに捉えているのです。

その理由として外貨建て保険は、これを販売する銀行などの金融機関と顧客との間に、トラブルが多いからです。

外貨建て保険は保険の一種なのですが、外貨で受け取った保険金を円に交換する時に、購入する時よりも円高外貨安(例えば米ドル安)になっていた場合、為替差損が発生するため、元本割れになってしまいます。

こういった点をよく理解していなかった顧客が、「元本割れリスクについて適切な説明を受けなかった」などと主張して、金融機関とトラブルになるのです。

他にも手数料が高いなどの問題点があるのですが、こういった点は気付きにくいため、元本割れに関するトラブルがもっとも多いようです。

冒頭で紹介した記事の中に記載されているように、世界各国の中央銀行は新型コロナウイルスの影響を受けた経済を下支えするため、政策金利の引き下げや市中への資金供給量を増やすなどの、金融緩和を実施してきました。

これにより暴落していた株価が上昇するなどの、プラスの効果が生じたのですが、ここ最近は急激に物価が上昇するなどの、マイナスの効果も生じてきたのです。

そこで海外の中央銀行は政策金利の引き上げや、市中への資金供給量を減らすなどの、金融引き締めを始めました。

こういった状況が続いていくと、外貨建て保険の利回りが良くなるため、以前より販売しやすくなります。

また海外の中央銀行が金融引き締めを始めたにもかかわらず、日本の中央銀行である日銀は金融緩和を続け、政策金利を引き上げしないため、利回りの良い外貨建て保険が魅力的に見えてしまうのです。

そのため令和4年(2022年)は、外貨建て保険の販売額が再び増えていくと共に、これに関するトラブルも増えていくと予想しております。

何か対策はないのかと思って調べていたら、令和3年(2021年)11月12日の日本経済新聞に、外貨建て保険、運用実績開示へ 元本割れリスクなどで苦情多く、金融庁が共通指標導入求めると題した記事が掲載されているのを見つけました。

この記事の中には、これから外貨建て保険を購入する時に、役に立つ情報が記載されていたので、一部を紹介すると次のようになります。

『金融庁はドルなどで運用する外貨建て保険の実態を見えやすくする。販売金融機関に比較可能な共通指標の導入を求め、売れ筋商品や運用実績などの開示を促す。

外貨建て保険は表面上の利回りが高く人気がある半面、元本割れリスクの十分な説明を受けなかったという苦情が絶えない。透明性を高めて顧客本位の業務運営につなげる』

以上のようになりますが、金融庁は令和4年(2022年)3月頃から、この記事の中に記載されている共通指標(共通KPI)の開示を、金融機関に求めていくようです。

こういった金融庁の努力によって、外貨建て保険に関するトラブルが減っていくのは、とても良い事だと思います。

ただもっとシンプルな方法で、外貨建て保険に関するトラブルを、減らす事ができるのです。

それは自分が理解できない金融商品を購入しない、または理解できてから購入するというものです。

例えば「1米ドル=100円」が110円になった場合、円の金額が高くなっておりますが、円高ではなく円安を示します。

こういった為替レートの基本的な知識を身に付けていない方は、外貨建て保険の仕組みを理解するのが難しいと思うので、購入しない方が良いのです。

何となく儲かりそうという理由で、自分が理解できない金融商品を購入する事は、外貨建て保険以外でもトラブルになる可能性があるのです。
posted by FPきむ at 20:57 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする