2021年08月02日

保険料の値上げに不満を感じるのは、「健康保険>厚生年金保険>雇用保険」

令和3年(2021年)7月28日の時事通信を読んでいたら、雇用保険料、引き上げ検討 雇調金急増、財源逼迫―厚労省と題した、次のような記事が掲載されておりました。

『厚生労働省が雇用保険の保険料率を2022年度にも引き上げる検討に入ることが28日、分かった。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、企業が従業員に支払う休業手当の一部を助成する雇用調整助成金(雇調金)の支給が急増し、財源が逼迫(ひっぱく)しているのが主因。

今後、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で具体的な料率などを議論する見通しだ。

雇用保険は、労働者が仕事を失った際に給付される失業者向けと、雇調金など雇用安定・能力開発の事業に大きく分けられる。

財源は、失業者向けが労使折半の保険料と国庫負担で、雇用安定・能力開発は企業の保険料などでそれぞれ賄われる』

以上のようになりますが、雇用保険の積立金は平成28年(2016年)3月末に、過去最大となる6兆円超に達しました。

この主な理由としては、日本の景気が回復し、失業率が低下したため、雇用保険から支給される基本手当、いわゆる失業手当を受給する方が減ったからです。

また積立金の増加を受けて、特例措置が実施されたため、雇用保険の保険料は法律で定められた水準より値下げされました。

しかし新型コロナウイルスの問題で、基本手当と雇用調整助成金の支給が急増し、積立金の枯渇が懸念されるようになったため、雇用保険の保険料の値上げが検討されているようです。

ただ現状は法律で定められた水準より低く、かつ過去の事例を見てみると、少しずつ値上げされているため、急激な負担増にはならないと思うのです。

また新型コロナウイルスの問題が終息し、再び日本の景気が回復すれば、雇用保険の保険料を値下げする余地が生まれます。

そのため雇用保険の保険料の値上げに対しては、それほど不満を感じないのですが、健康保険の保険料が値上げされたら、かなり不満を感じるのです。

会社員の方が加入する健康保険は、主に大企業の従業員が加入する「組合健保」と、主に中小企業の従業員が加入する「協会けんぽ」の、2種類に分かれております。

ここ数年は組合健保を解散して、従業員を協会けんぽに移行させる企業が、かなり増えております。

この主な理由としては組合健保の保険料が、協会けんぽの保険料より高くなってしまうと、組合健保を続ける意味が薄れてしまうからです。

また組合健保の保険料を高くせざるを得ないのは、原則として75歳以上の方が加入する、後期高齢者医療に拠出する支援金の負担が、どんどん増えているからです。

つまり組合健保の保険料の値上げを招いているのは、組合健保の内部の問題ではなく、後期高齢者医療という外部の問題なのです。

協会けんぽには国庫補助(国からの援助)があるため、組合健保ほど深刻ではないのですが、やはり同じような問題に悩んでおります。

しかも高齢者の方が増え、いずれ財政が厳しくなる事は、十分に予想できたはずなのに、国は70歳以上の医療費の自己負担をゼロにするという大盤振る舞いを、実施してきたのです。

こういった事情があるため、健康保険の保険料の値上げには、かなり不満を感じるのです。

健康保険ほどではないにしろ、厚生年金保険も保険料が値上げされたら、不満を感じると思います。

年金制度の歴史を振り返ってみると、小泉政権時代の平成16年(2004年)に、大きな改革が実施されました。

またこの改革を実現するために、平成16年(2004年)から、平成29年(2017年)まで、毎年10月に厚生年金保険の保険料を、0.354%(本人:0.177%、事業主:0.177%)ずつ、値上げすると決定したのです。

これに不満を感じる国民は多かったのですが、厚生年金保険の保険料の値上げによって改革が実現すれば、100年安心な年金制度ができるという事で、仕方なく受け入れたのです。

現在は保険料の値上げが終了しているため、これ以上は増えないはずなのですが、再び保険料が値上げされたら、100年安心な年金制度ができるという話は、大嘘になってしまいます。

ですから健康保険ほどではないにしろ、厚生年金保険の保険料の値上げにも、不満を感じてしまうのです。
posted by FPきむ at 20:46 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする