2021年05月10日

スマホだけで何でもできる便利な時代が来ると、死亡した後に不便になる

令和3年(2021年)4月26日のマネーポストを読んでいたら、親が70代になったら始めるべき相続の準備 財産目録や遺言書の作成をと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『父や母が高齢になってくると、さまざまなトラブルの種が生まれる。だが、親子で事前に情報を共有し、書類や資料を用意しておくことで、問題を回避できる。

夢相続代表で相続実務士の曽根恵子氏は「どのタイミングで、どんな準備をするかが重要」だと強調する。

「たとえば介護保険については、親が元気なうちは手続きは必要ありません。ですが、相続については親の判断能力がしっかりしているうちにできるだけ準備しておく必要があります。

まずは、親に不動産の固定資産税納付書、預金通帳などを確認してもらいながら、財産目録を作成していきます。

子供たちにとって一番面倒なのは、親の死後、どこにどれだけ財産があるかわからないケースです。

財産目録には、預貯金の金融機関名や口座番号、株など有価証券があるなら証券会社の口座情報まで正確に記入する。

借入金があれば金額だけでなく内容も記載してもらうと、財産の全体像が把握できて、相続税がかかりそうかの判断もつきます。

仮に負債のほうが多ければ、相続放棄を視野に入れることもできる。親が70代になったくらいのタイミングで、目録の作成を始めるのがよいでしょう」(曽根氏)

そのうえで、遺言書を作成する。相続人が誰なのかを確認するために家系図を準備し、財産目録で一覧にした資産を誰がどう相続するか、親子で話し合いながらまとめていくのが基本となる』

以上のようになりますが、この記事の中に記載されているように、預貯金の金融機関名や口座番号などが記載された財産目録を作成するのは、かなり地味な作業という感じがします。

しかしスマホだけで何でもできる便利な時代が来ると、こういった作業が重要になってくると思うのです。

またこういった作業をやらなかった場合には、生きているうちは便利であっても、死亡した後に不便になる可能性があるのです。

例えば最近は様々な銀行が、預金通帳の発行を有料化しているため、これを持たない方が増えていくと推測されます。

それ以前にネット専業銀行は始まった当初から、預金通帳を発行しないのが普通になっているため、この利用者は預金通帳を持っていないのです。

こうったスタイルに抵抗を感じないのは、スマホから銀行のウェブサイトにログインすれば、取引履歴などを簡単に確認できるからだと思います。

また格安スマホの普及などにより、以前よりも比較的に低料金で、スマホを保有できるようになったからだと思います。

このようなスマホの普及によって、預金通帳を保有しない方だけでなく、キャッシュカードを保有しない方も増えていく可能性があるのです。

その理由としてスマホを、キャッシュカードの代わりとして利用できる銀行が、以前よりも増えているからです。

そうなると将来的には、預金通帳やキャッシュカードを保有していないというのが、普通になるのかもしれません。

少し違和感を覚えるのですが、スマホがひとつあれば、日常的なお金の出し入れや管理ができるため、預金通帳やキャッシュカードを保有していた時代より、便利になると思います。

ただ本人は便利であっても、死亡した後にその方の家族が、不便になる可能性があるのです。

その理由として遺品の中に、預金通帳やキャッシュカードがあった場合には、死亡した家族がどこの銀行と取引していたのかが、すぐにわかります。

一方で預金通帳やキャッシュカードがない場合には、死亡した家族がどこの銀行と取引していたのかが、とてもわかりにくいからです。

もしわからなかった場合には、必要な書類を準備したうえで、取引がありそうな銀行に対し、口座の有無に関する調査を依頼するのです。

しかも1つしか口座を持っていない方は少ないと思うので、複数の銀行に対して同様の調査を、依頼する必要があるのです。

こういった事態にならないようにするには、冒頭で紹介した記事の中に記載されているように、預貯金の金融機関名や口座番号などが記載された財産目録を作成しておくのです。

最近は様々な保険会社が、保険証券の電子化を進めているため、死亡した後に保険証券が見つからないケースも、増えていく可能性があります。

そうなると亡くなった家族が、どこの保険会社に加入していたのかも、わかりにくくなってしまうのです。

預金通帳があれば取引履歴(保険料の引き落としなど)から、加入していた保険会社を調べる事ができますが、預金通帳がない場合には、こういった方法で調べる事はできません。

また死亡した家族が使っていたスマホを見つけたとしても、銀行のウェブサイトにログインするための、IDやパスワードなどがわからないと、取引履歴を調べられないのです。

そのため例えば死亡保険に加入している場合には、生命保険会社の名前、商品名、保険金額なども、財産目録に記入しておいた方が良いと思います。
posted by FPきむ at 20:32 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする