2020年07月05日

日本郵便とかんぽ生命の営業社員は、「無税入門」の実践者ではないのか?



令和2年(2020年)6月12日の毎日新聞を読んでいたら、日本郵便社員ら120人、持続化給付金便乗申請 かんぽ不正自粛の補てん狙うと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた中小企業や個人事業主向けの支援策「持続化給付金」を巡り、日本郵便とかんぽ生命保険は12日、新型コロナとは直接関係がないのに給付金を申請した社員が計約120人いたと明らかにした。

かんぽ生命の不正販売を受けた営業自粛による収入減を給付金で補おうとしたとみられる。両社は申請取り下げや給付金返還の手続きを促している。

持続化給付金は、個人事業主の場合、確定申告する事業所得が今年1〜12月のいずれかの月で昨年同月比の半分以下に減ったことを条件に、最大100万円を支給する。

郵便局員らは、給与所得とは別に、保険の販売成績に応じて支給される営業手当を事業所得として確定申告している。

日本郵政グループでは、かんぽ生命の不正販売が発覚した昨年7月から保険販売を自粛しており、営業手当が激減。

郵便局員らは、収入減は新型コロナの影響ではないものの、持続化給付金の支給条件を満たすのに目をつけたとみられる』

以上のようになりますが、この記事によると、日本郵便とかんぽ生命の営業社員は、保険の販売成績に応じて支給される営業手当を、事業所得で申告しているようです。

それに対して基本給や他の手当は、給与所得で申告しているのではないかと思います。

こういったケースのように、同じ勤務先から受け取った収入を、別々の所得で申告(給与所得と事業所得)しているのは、かなり珍しいような気がするのです。

一方で副業をしている会社員が、本業の収入を給与所得、副業の収入を事業所得で申告しているケースは、稀にあると思います。

なぜ稀なのかというと、一般的に副業の収入は、雑所得で申告するからです。

また雑所得ではなく、事業所得で申告する理由は、事業所得の方が税制面で優遇されているからです。

例えば副業で損失が発生した場合、事業所得で申告している方は、その損失を給与所得から差し引く事ができます。

これにより給与所得の金額が低くなれば、その分だけ税金が安くなるのです。

一方で雑所得で申告している方は、副業で発生した損失を、給与所得から差し引く事はできません。

つまり「事業所得と給与所得→損益通算できる」、「雑所得と給与所得→損益通算できない」という関係になるのです。

この損益通算を上手く活用して、何十年も税金を支払っていない方がいるようです。

それはベストセラーになった完全版 無税入門の著者である、只野範男さんになります。

その税金を支払わない方法とは、副業のイラストレーターの収入を、事業所得で申告します。

また家賃や車の購入費の一部を経費に計上して、事業所得を損失が発生している状態にするのです。

この損失が発生している事業所得と、利益が出ている給与所得を損益通算して、給与から控除された税金の還付を受ける事により、無税生活を実現するそうです。

基本給や他の手当は給与所得、営業手当は事業所得で申告している、日本郵便とかんぽ生命の営業社員は、このテクニックをすぐに利用できると思ったら、実際にやっている方がおりました。

それが記載されていたのは、平成27年(2015年)6月12日の朝日新聞の、郵便外交員500人、申告漏れ 計17億円、国税局指摘という記事になりますが、一部を紹介すると次のようになります。

『愛知、静岡、岐阜、三重の東海4県で、500人を超える郵便局の保険外交員らが、根拠のない経費をつけて事業所得を圧縮したとして、名古屋国税局から総額約17億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。

受けた還付は約2億円多かったことも判明。追徴課税は、過少申告加算税を含め約2億数千万円に上るとみられる』

以上のようになりますが、ここに記載されている事が事実だとしたら、持続化給付金の不正申請より、はるかに規模が大きいのです。

また申告漏れを指摘された時点で、営業手当を事業所得で申告する仕組みを改めていたら、今回の持続化給付金の不正申請は、発生しなかったと思うのです。
posted by FPきむ at 20:10 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする