2020年03月16日

新型コロナウィルスの影響で、日本生命が外貨建て保険の販売を休止へ

令和2年(2020年)3月13日の朝日新聞を読んでいたら、日本生命、外貨保険の一部を販売休止へ 米長期金利急落と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『国内生命保険最大手の日本生命保険が、外貨建て保険の一部の販売を16日から休止することがわかった。

「コロナショック」を受けた市場の混乱で、米長期金利が急低下し、顧客に魅力的な利回りを確保する運用が難しくなった。

コロナショックによる外貨建て保険の販売休止は大手生保で初で、他社も追随するか注目される。

日本生命が販売を休止するのは、米ドル、豪ドル建ての外貨建て保険商品の一部。保険料を一括で支払い、「給付金」が定期的に振り込まれるタイプ。休止は3月末までで、その後延長するかどうかは未定としている。

外貨建て保険は、顧客から受け取った保険料を生保が米国債などで運用する。おもに銀行窓口で売られている。

日本銀行の金融緩和で国内の低金利が続く中、米国債の運用では高い利回りを得られるため、生保は運用利回りの良さなどを売りに販売を増やしてきた。

しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が3日、政策金利を0・5%幅、緊急に利下げした。米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは急落。

近年1〜2%で推移していたが、初めて0%台になり、運用先としての魅力が下がっている』

以上のようになりますが、平成28年(2016年)1月に日銀が、マイナス金利政策を導入してから、この記事の中に記載されている外貨建て保険は、契約件数を伸ばしてきました。

その理由としてはマイナス金利政策により、貸し出しなどで利ざやを稼げなくなった銀行などが、高い手数料を得られる外貨建て保険の販売に、力を入れ始めたからです。

ただ銀行などが高い手数料を得られるという事は、顧客は高い手数料を支払っているのですから、この辺りは外貨建て保険のデメリットになります。

また外貨建て保険の契約件数が伸びるのと比例して、顧客からの苦情も増えております。

例えば生命保険協会と生保41社が、平成29年(2017年)度に受けた、銀行の窓口で販売された外貨建て保険(年金)の苦情は、前年度比で12.3%増の2,076件となり、平成24年(2012年)度の3.3倍になったそうです。

その苦情の内訳を見てみると、主なものは次のようになっており、元本割れに関するものが、大多数を占めております。

・元本割れリスクについて適切な説明を受けなかった:43%
・その他説明不十分(解約時の税金など):14.7%
・その他(強引な勧誘など):11.8%
・預貯金と誤認した:2.8%

なぜ外貨建て保険は元本割れするのかというと、例えば保険金には最低保障があるといっても、それは外貨建て(例えば米ドル建て、豪ドル建て)だからです。

そのため外貨を日本円に交換する時に、加入する時より円高ドル安(豪ドル安)になっていたら、為替差損が発生するため、元本割れになってしまうのです。

一方で加入する時より円安ドル高(豪ドル高)になっていたら、為替差益が発生するため、想定より保険金の金額が多くなります。

こういった部分は外貨建て保険のメリットだと思いますが、逆の状態になっていたら元本割れですから、個人的にはこのメリットを、素直に喜べないのです。

なお据え置き機能が付いている場合には、円安ドル高(豪ドル高)になるまで、保険金の受け取りを待つ事ができるようです。

最後に今後の見通しについて考えてみると、新型コロナウィルスの影響によるアメリカの低金利は、しばらくは続いていくと思います。

オーストラリアも似たような状態ですから、4月以降も販売休止になると予想しております。

また日本生命以外の他の生命保険会社も追随して、外貨建て保険の販売を休止すると予想しております。

銀行などにとっては収益源が減ってしまうため、困ってしまうかもしれませんが、顧客にとっては外貨建て保険に関するトラブルに、巻き込まれないで済むのですから、良い事ではないかと思います。

なおすでにトラブルが発生していて、どうしようかと悩んでいる方については、生命保険協会の中に設置された「生命保険相談所」などに、相談してみるのが良いと思います。
posted by FPきむ at 20:57 | 民間保険の最新情報と法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする