2019年11月01日

マネードクターの正体は、「外貨建て保険商法」を応用した乗合代理店

かんぽ生命の委託を受けた、日本郵便の職員による保険の不適切販売が、世間の注目を集めております。

この不適切販売とは例えば、顧客と新契約を結んでから、6ヶ月以内に旧契約を解約すると、旧契約の乗り換えと見なされ、職員の手当が少なくなってしまうので、この6ヶ月間について、保険料を二重払いさせていたというものです。

また旧契約を解約してから、3ヶ月以内に新契約を結ぶと、旧契約の乗り換えとみなされ、職員の手当が少なくなってしまうので、3ヶ月の無保険期間を作った後に、顧客と新契約を結んでいたというものです。

もしこの3ヶ月の無保険期間に、保険事故(死亡、病気やケガなど)が発生した場合には、今まで保険料を支払ってきたのに、保険金を受け取れません。

また病気やケガにより、新契約を結べない場合には、3ヶ月が経過した後も、無保険期間になってしまうのです。

現在は保険販売を自粛しておりますが、不適切販売に関する調査を進めたり、再発防止策を講じたりしたうえで、保険販売の再開を目指しております。

ただ令和元年(2019年)10月に再開予定だった保険販売は、世間からの批判が強かったため、翌年の1月以降に延期されました。

そのため当面は保険の不適切販売に関するニュースに、注目が集まりそうですが、外貨建て保険のトラブルに関するニュースも、忘れてはいけないと思うのです。

日本銀行のマイナス金利政策の影響などにより、企業に対する貸し出しで利ざやを稼ぎにくくなった銀行は、高い販売手数料を得られる外貨建て保険の販売に、力を入れるようになりました。

この辺りから外貨建て保険に関するトラブルが増加しており、現在でもその状態が続いているのです。

この外貨建て保険は運用結果や為替レートで、将来に受け取れる年金や保険金の金額が変わります。

また運用が上手くいかなかったり、契約時より円高外貨安が進んだりすると、元本割れする場合があるのです。

それにより元本割れを想定していなった顧客と銀行との間で、トラブルが発生するのです。

そもそも外貨建て保険は投資性が強いため、貯蓄好きで投資嫌いな日本人には、あまり合っていないと思います。

それでも外貨建て保険が売れているのは、銀行の営業力だけでなく、商品名の最後に「保険」という単語が付いているため、投資を始めるという感覚が、発生しないからだと思うのです。

このように投資性の強い商品を、保険というオブラートで包んで顧客に販売する事を、個人的には「外貨建て保険商法」と呼んでおります。

保険というオブラートで包まれているため、味はわからないのですが、中身は苦い粉薬(投資性の強い商品)です。

もし上手く飲めなくて、オブラートが溶けてしまった場合(運用が上手くいかなかった場合、契約時より円高外貨安になった場合)には、口の中に苦い粉薬が溢れて、その正体に気が付きます。

そうなると対処に困りますので、苦い粉薬が苦手という方は、初めから錠剤やカプセル(投資性の弱い商品、元本が確保された商品)に、変えてもらった方が良いのです。

ところで最近はテレビなどを見ていると、俳優の高橋一生さんが出演している、「マネードクター」のCMをよく見かけます。

マネードクターを翻訳すると、お金のお医者さんですから、様々なお金の問題を解決してくれる、FP(ファイナンシャル・プランナー)のような存在だと想像しました。

しかしマネードクターについてインターネットで調べてみると、元々は「保険のビュッフェ」というブランド名の乗合代理店だとわかり、またブランド名をマネードクターに変更した後も、事業内容に大きな変化はないようです。

なお乗合代理店とは「ほけんの窓口」、「保険見直し本舗」、「保険市場」などのような、複数の保険会社と代理店契約を結んでいる保険代理店です。

本来の姿は乗合代理店なのに、マネードクターという信頼性を感じさせる名称で、本来の姿をわからなくするという手法は、上記の外貨建て保険商法の応用ではないかと思いました。

また保険会社から得られる販売手数料で、商売が成り立っているのですから、保険以外のお金の相談に応じてくれたとしても、どこかのタイミングで保険の話になると思います。

これでは納得できない方もいると考えられるため、初めから保険の相談がメインで、その他のお金の相談はおまけだと、伝えておくべきではないでしょうか?

また保険以外のお金の相談がしたい、保険はもう必要ないという顧客からは、時間などに応じた相談料をもらい、保険の販売はしない方が良いと思うのです。
posted by FPきむ at 20:57 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする