2019年08月13日

生保社員がもっとも入りたくない〇〇が、銀行で売れているという矛盾

令和元年(2019年)7月19日のマネーポストWEBを読んでいたら、1位は外貨建て保険 生保社員200人「入りたくない死亡保険」ランキングと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『「生保会社がいちばん売りたい商品は、生保社員がいちばん入りたくない商品」──ブラックジョークみたいな話だが、実は的を射ている。生命保険のカラクリを知れば、保険会社が儲かる商品ほど、加入者が損をするのは自明なのだ。

そこで、保険の表も裏も知り尽くした「匿名の生保社員200人」に「入りたくない死亡保険」をアンケートした。保険のデメリットを充分熟知した生命保険会社社員たちが「入りたくない」という商品は何か。

「入りたくない」保険として2位と倍近くの差をつけて1位にランクインしたのは、外資系の保険会社が主力商品とする「外貨建て」の保険だ。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんがその理由を分析する。

「受け取る際に円安か円高によってもらえる額に変動があり、結局いくらになるかわからないという不安定さがあります。手数料が高いというのと仕組みが複雑だというところも避ける理由でしょう」

回答者の中には、「同じ投機性のある商品なら株や投資信託を買う」と答えた人もいた。

「私たちもこういった商品を売る時に、『将来、増える可能性があります』『資産形成の一環として』とすすめますが、同じような商品であれば投資を専門にやっている証券会社の方が詳しいうえに、商品の幅が広い。

実際、同僚でもお客さんに外貨建てをすすめながら、自分は別の投資信託にあずけているという人は確かにいる」(59才男性)』

以上のようになりますが、生保社員がもっとも入りたくないのは「外貨建て保険」というのは、とても良くわかります。

その理由としては、上記の記事の中に記載されているように、「手数料が高い+仕組みが複雑」だからです。

また加入した後に円高外貨安(例えば米ドル安)が進むと、元本割れが発生する可能性があるからです。

なお生命保険協会に寄せられた、外貨建て保険に関する苦情の中で、一番に多かったのは「元本割れの十分な説明がなかった」ですから、この点を理解していない方は、かなり多い可能性があります。

このようにデメリットが多く、メリットは少ないと思うのですが、朝日新聞の集計によると、生命保険大手5社に関する、平成30年(2018年)度の外貨建て保険の販売額が、前年から5割増の約3.6兆円となり、過去最高を記録したそうです。

おそらく外貨建て保険を販売すると、生命保険会社から高い販売手数料を得られるため、銀行がこれの販売に、かなり力を入れているからだと考えられます。

ただ外貨建て保険は上記のように、生保社員がもっとも入りたくない保険ですから、銀行員の方についても、内心では入りたくないと思っているのかもしれません。

それが事実だとしたら、真面目で心優しい銀行員の方は、精神的に苦しんでいると思います。

また生命保険協会のまとめによると、平成29年(2017年)度の外貨建て保険に関する苦情は、5年前の3倍に増えております。

つまり売れば売るほど、苦情が増えるという状況になっているため、銀行員の方は苦情の対応でも、精神的に苦しみそうです。

これに加えて怒りを感じた顧客は、外貨建て保険を販売した銀行に対して、悪い印象を持つようになると思います。

こうったマイナス面があるにもかかわらず、高い販売手数料を得るために、外貨建て保険の販売に力を入れているのですから、利益至上主義の怖さみたいなものを感じるのです。

また銀行が利益至上主義を強くするほど、自分の資産は自分で考えて管理した方が良いという気持ちを強くします。

その管理方法のヒントとなるような文章が、上記の記事の中に記載されており、それは「同僚でもお客さんに外貨建てをすすめながら、自分は別の投資信託にあずけているという人は確かにいる」というものです。

この話を参考にして、預貯金だけでは物足りないなら、iDeCo(個人型の確定拠出年金)、一般NISA、つみたてNISAを通じて、投資信託を購入するのです。

これらを販売しても、得られる手数料は外貨建て保険より少ないため、銀行などの金融機関は、積極的に勧めない場合が多いと思います。

ですから顧客の側から、これらに加入したいという意思を、積極的に示す必要があるのです。

こういった現況から考えると、銀行などの金融機関が積極的に勧めてこない商品の中に、本当に良い商品が隠れているのかもしれません。
posted by FPきむ at 20:18 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする