2017年07月08日

明治安田生命の「ベストスタイル」は、生産者の論理で作られた生命保険

ライフネット生命は「生命保険に加入している20代〜50代の男女」を対象にして、生命保険の加入実態と意識を探る調査を実施しました。

その調査結果の詳細については、「生命保険加入者1,000名に聞く 生命保険加入実態調査」に記載されております。

これを読むと調査対象者が考える理想の生命保険は、「保険料が安い保険(45.4%)」、「保障内容がわかりやすい保険(38.8%)」、「保険料が値上がりしない保険(38.2%)」などの、条件を満たすものになるようです。

また調査対象者が生命保険に求めるのは、「保険料が高くても保障内容が手厚い方(25.2%)」より、「必要最低限で充分(74.8%)」になるようです。

これらを総合すると調査対象者の多くは、必要最低限の保障が付き、保険料が安くて値上がりしない、保障内容がわかりやすい生命保険を、望んでいるとわかります。

この調査結果を初めて見た時、調査対象者の多くが望んでいる生命保険に一番近いのは、共済系が販売する商品ではないかと考えました。

またその考え方は正しいのではないかと思えてくる、調査結果が発表されました。

それは3月16日のブログで紹介した、生命保険の顧客満足度ランキングであり、次のように上位3位は、共済系が独占しております。

1位:コープ共済
2位:都道府県民共済
3位:全労済
4位:アフラック
5位:メットライフ生命
6位:アクサ生命
7位:ソニー生命

この二つの調査結果からわかるのは、必要最低限の保障が付き、保険料が安くて値上がりしない、保障内容がわかりやすい生命保険を、望んでいる消費者がおり、そのニーズを満たしている共済系の商品が、消費者から高い評価を受けている事だと思います。

つまり生命保険も他の商品と同じように、消費者のニーズを満たしている商品が高い評価を受けているという、わかりやすい話なのです。

なお4月21日のブログに記載しましたように、生命保険のプロも自社の商品ではなく、共済系の商品に加入しているようです。

その一方で日本を代表する4大生保が、ランキングの上位に登場しないのは、「保障が手厚いけれども保険料が高い」、「保険料が値上がりする」、「保障内容がわかりにくい」という、消費者のニーズとは逆の生命保険を、販売しているからではないでしょうか?

注:4大生保とは日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命になり、この順序でよく記載されているのは、保険料等収入が一番多いのは日本生命で、一番少ないのは住友生命だからです。

しかしその4大生保も最近は、若者の生命保険離れなどの影響で考え方を変え、消費者のニーズに近い生命保険を販売している感じがします。

それは例えば明治安田生命が、「かんたん保険シリーズライト」のひとつとして販売している、「じぶんの積立」になります。

これはライフネット生命の調査から導き出された、消費者が望んでいる生命保険に近く、明治安田生命は変わったという印象を受けました。

しかし松岡修造さんがCMに出演している「ベストスタイル」は、じぶんの積立と比較すると、保障が手厚いけれども保険料が高く、また保障内容がわかりにくいという印象を受けました。

つまり明治安田生命の生命保険は、消費者が望むものに近付いてきたのに、また離れてしまったのです。

その理由について考えてみると、じぶんの積立のような保険料の安い商品ばかりを販売していると、保険料等収入が伸びていかず、巨大化した組織を維持できないのだと思います。

またじぶんの積立のような、保障内容がわかりやすい生命保険ばかりを販売しているなら、消費者は保障内容を自分で理解できるので、保障内容を説明するための営業職員を、大量に雇っておく必要はなく、巨大化した組織は必要なくなるのです。

しかし簡単には組織を縮小できないので、巨大化した組織を維持するために、保障内容がわかりにくい商品を、販売していく必要があるのだと思います。

ところで金融庁の森信親長官は、日本証券アナリスト協会が平成29年(2017年)4月7日に開催したセミナーにおいて、次のような言葉で金融業界を批判したそうです。

「顧客である消費者の真の利益を顧みない、生産者の論理が横行している傾向が顕著に見受けられる」

巨大化した組織を維持するため、保険料が高く、保障内容がわかりにくい生命保険を販売していく必要があるというのは、まさに「生産者の論理」のような気がするのです。

やはり生命保険も他の商品と同じように、生産者の論理で作られたものではなく、消費者のニーズを満たすものを選ぶのが、本当のベストスタイルではないでしょうか?
posted by FPきむ at 20:37 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする