2016年06月01日

金融庁が問題にする「一時払外貨建て変額保険」はもう買いませんよね?

平成28年(2016年)5月24日のサンケイビズを読んでいたら、銀行窓販の保険手数料、開示見送り 金融庁、マイナス金利が逆風にと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『金融庁は銀行窓口で販売される保険商品について、10月に予定していた手数料の開示を見送る方針を固めた。過度に手数料の高い保険商品を銀行が勧めるケースがあり、透明化のため、開示させる方向だった。

ただ、日銀のマイナス金利政策で貸し出し利ざやが縮小し、金融商品販売など手数料稼ぎに力を入れる銀行の反発は根強く、軌道修正を強いられた格好だ。

金融庁は手数料開示に必要な保険会社向けの監督指針の改正案を今月20日にも公表する予定だったが、凍結する意向を固め、すでに銀行業界や生命保険業界に伝えた。

対象となる変額年金や外貨建て保険などの貯蓄性の保険は運用結果や為替相場で受取額が変わり、銀行の窓口で売れ筋になっている。

手数料が開示される投資信託と同様に投資商品という側面が強いが、銀行が受け取る手数料は顧客が支払う保険料に含まれ、開示されていない。

手数料が10%と過度に高い商品もあり、金融庁には手数料に透明性がなければ、銀行が高い手数料目当てに不要な商品を顧客に勧めかねないとの問題意識があった』

以上のようになりますが、銀行が手数料の開示に強く反発したのは、単純に考えて、今まで手数料の高い保険ばかりを、顧客に販売してきたからだと思います。

もし手数料が高いか低いかを問わず、顧客のニーズに合った保険を販売してきたら、手数料の開示に反発する必要がないはずです。

この記事を読むと金融庁が手数料の開示を求めた、つまり特に問題にしたのは、運用結果や為替相場で受取額が変わる、変額年金や外貨建て保険だとわかります。

この変額年金や外貨建て保険とはおそらく、「一時払外貨建て変額個人年金保険」や、「一時払外貨建て変額終身保険」などを示しており、「一時払」、「外貨建て」、「変額」という部分が、共通点になっているようです。

そのため以下では、こういった保険をまとめて、「一時払外貨建て変額保険」と表記します。

運用結果や為替相場で、年金や保険金の受取額が変わるという事は、やっている事は投資の一種であり、この記事の中にも「投資商品という側面が強い」と、記載されております。

そうなると貯金好きで投資嫌いな日本人が、どうして一時払外貨建て変額保険を喜んで購入するのか、不思議に思ってしまうのです。

商品名の最後に「保険」という言葉が記載されていると、自分は投資をやっているという感覚が、麻痺してしまうのでしょうか?

こんな話をしますと「最低保障があるのだから、投資ではないよ」と、反論する方がいるかもしれません。

しかしその最低保障はおそらく、外貨建て(例えば米ドル建て、豪ドル建て)のものですから、外貨を日本円に交換する時に、購入時より円高ドル安になっていたら、為替差損が発生して、支払った保険料を下回る可能性がある、つまり元本割れするのです。

ただ逆にいえば購入時より円安ドル高になっていたら、為替差益が発生しますので、年金や保険金の受取額が多くなります。

つまり購入時より円高になるか、それとも円安になるか勝負しているのですから、やっている事はギャンブル性が高いFX(外国為替証拠金取引)と、あまり変わりがありません。

一時払外貨建て変額保険について、インターネットで検索してみると、次のようなデメリットや問題点が記載されておりました。

・仕組みが複雑すぎるので、十分に理解しないで加入している方が多い

・同じような内容の投資信託の方が、手数料がはるかに安い

・例えばアメリカ国債で運用する、一時払外貨建て変額保険を購入するより、アメリカ国債を直接購入した方が、明らかに利回りが良い

以上のようになりますが、日銀が始めたマイナス金利政策の影響により、貯金の金利が低くなっておりますから、少しでも利回りの良い商品を求める気持ちは、よく理解できます。

しかし上記のように最低保障=元本保証ではないのですから、元本割れは絶対に避けたいという方には、一時払外貨建て変額保険は合っていないと思うのです。

私はあまりおすすめしませんが、こういった方には個人向け国債などをおすすめした方が、親切だと思います(個人向け国債は手数料があまり高くなく、銀行は積極的に販売しないようです)。

また元本割れしても良いから、資産をもっと増やしたいという方には、税制優遇のある確定拠出年金(個人型)やNISAの方が、合っていると思うのです。

つまり元本割れは絶対に避けたいという方にも、元本割れ覚悟で資産を増やしたいという方にも、一時払外貨建て変額保険は合っていると思えず、どういった方に合っているのかが、まったくイメージできません。

この点に加えて金融庁が、手数料について問題にしているとなれば、あなたは一時払外貨建て変額保険を、もう買いませんよね?
posted by FPきむ at 19:20 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする