2015年02月09日

第一生命と日本生命がりそな銀行と業務提携へ

平成27年(2015年)2月6日のロイター通信を読んでいたら、第一生命と日本生命、りそなに資本出資で交渉=関係筋と題した、次のような記事が記載されておりました。

『第一生命保険と日本生命保険が、りそなホールディングスと資本・業務提携を結ぶ方向で交渉していることが分かった。月内にも締結する見通し。複数の関係筋が6日、明らかにした。

りそなの金庫株約1億3000万株を2社が買い受ける方向だ。発行済み株式に占める割合は約5%程度で、時価で800億円弱になる。

りそなは安定株主を確保する一方、第一生命と日生はりそなの支店での保険商品の販売を目指す。りそなは6月以降にも国から注入されている公的資金を一括返済する見通しで、リテール業務の強化策の一環として位置付ける。

第一生命はすでにりそなの優先株を保有しており、さらに関係を深める。りそなは「業務面で様々な検討を行っていることは事実」とのコメントを発表。日生は「出資も含めて交渉しているのは事実」(広報)、第一生命は「コメントできない」(同)としている』

以上のようになりますが、銀行の窓口での生命保険の販売は、平成19年(2007年)から開始されました。

りそな銀行でもすでに実施されており、その中には第一生命や日本生命の商品も含まれております。

ですからなぜ業務提携をする必要があったのかと、疑問を感じてしまいましたが、銀行の窓口での生命保険の販売は、系列の生命保険会社が開発する商品の、販売比率が高いという事情があるからのようです。

注:系列の生命保険会社とは例えば三井住友銀行なら、三井生命や住友生命になります。

つまり系列を持たず、個人向け販売に力を入れる、りそな銀行と提携するという事は、第一生命と日本生命にとって、自社商品の販売の拡大につながるというメリットがあります。

銀行の窓口での生命保険の販売というと、一時払い終身保険や一時払い個人年金保険などの、貯蓄性の高い商品の販売に、力を入れているイメージがあります。

ただ1月12日のブログに記載しましたように、日本生命は一時払い終身保険の予定利率(8月22日のブログを参照)を、平成27年(2015年)2月から、0.95%に引き下げましたので、その魅力はかなり低下しております。

こういう話をすると「しかし0.95%なら、預金の利率よりはまだ高いよね!」という方がおりますが、生命保険の契約者が支払う保険料を分解すると、生命保険会社の運営に使われる「付加保険料」と、死亡保険金のためなどに使われる、「純保険料」に分ける事ができます。

注:付加保険料の割合はライフネット生命など、一部の生命保険会社を除いて、一般に公開されておりませんが、3割から4割程度であると指摘する専門家もおります。

またこの「純保険料」を分解すると、死亡保険金のために使われる「危険保険料」と、死亡保険金の支払いに備えて運用される、「貯蓄保険料」に分ける事ができます。

つまり銀行の預金の場合には、預金者が支払ったお金のすべてが運用に回りますが、生命保険の場合は「付加保険料」と「危険保険料」を引いた残りだけが、運用に回りますので、預金の利率と生命保険の予定利率は、単純に比較できないのです。

例えば予定利率が0.95%で、死亡保険金が1,000万円の、一時払い終身保険に加入して、900万円の保険料を一括で支払ったとします。

このような一時払い終身保険を10年後に解約して、960万円の解約返戻金(9月12日のブログを参照)を受け取った場合、元本との差額はプラス60万円になります。

ただこれは10年間の運用成績になりますので、1年分の運用成績を計算してみますと、「60万円÷10年間」で6万円になります。

つまり単純な年利回りは「6万円÷900万円×100」で、0.66%程度になり、0.95%に達しませんが、こういった数字と預金の利率を比較してみないと、一時払い終身保険の真の実力はわからないのです。

また銀行の預金はいつ解約しても、元本の900万円が戻ってきますが、一時払い終身保険は契約から数年で解約すると、元本割れを起こしてしまい、900万円より低い金額しか戻ってこない場合があります。

その他として例えば預金の金利は、インフレなどにより市場金利が上昇すると、それに連動して上昇するのに対して、一般的な終身保険は契約時の予定利率が、契約が終わるまで適用されるので、市場金利が契約後に上昇したとしても、その恩恵を受ける事はできません。

第一生命や日本生命とりそな銀行との業務提携は、まだ正式に決まった訳ではないようですが、りそな銀行の窓口での生命保険の販売、特に一時払い終身保険や一時払い個人年金保険の販売が強化されたなら、上記のような点には注意する必要があると思うのです。
posted by FPきむ at 20:27 | 民間保険の最新情報と法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする