2012年09月12日

高度障害保険金の支払事由と免責事由

現在の生命保険は被保険者が保険期間内に死亡した場合に、死亡保険金が支払われるだけではなく、被保険者が保険約款(5月20日のブログを参照)で定める高度障害状態に該当した場合には、高度障害保険金も支払われますが、それによって生命保険の契約は終了するのが一般的です。

つまり高度障害状態は被保険者の死亡のように、商法に定められた保険事故ではないので、それぞれの保険会社が自由に支払事由を決められるという事ですが、多くの保険会社は次のような状態になると、高度障害保険金を支払うとしております。

注:保険期間、保険事故、被保険者などの用語については、7月18日のブログを参照して下さい。

(1)高度障害保険金の支払事由
高度障害保険金は被保険者が責任開始日以後に発症した病気、またはケガを原因として、次のような高度障害状態に該当した場合に支払われます。

注:責任開始日とは契約した生命保険の、保障が始まる日を示します。

・両眼の視力をまったく永久に失ったもの

・言語またはそしゃくの機能を、まったく永久に失ったもの

・中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

・胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

・両上肢とも、手関節以上で失ったか、またはその用をまったく永久に失ったもの

・両下肢とも、足関節以上で失ったか、またはその用をまったく永久に失ったもの

・1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用をまったく永久に失ったもの

・1上肢の用をまったく永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

また責任開始日より前に障害状態となっていた場合で、責任開始日以後に発症した病気、またはケガを原因とする障害状態が新たに加わり、高度障害状態になった場合にも、高度障害保険金が支払われます。

ただ責任開始日より前に生じていた障害状態の原因となった病気またはケガと、責任開始日以後に発症した病気またはケガに因果関係がある場合には、高度障害保険金が支払われなくなります。

このように保険約款に定められた高度障害とは、非常に限定されたものであるため、身体障害者福祉法や労働者災害補償保険法に定められた障害状態とは、大きく違っております。

また保険会社は高度障害状態の解釈基準を明確化するため、高度障害保険金の支払事由となる高度障害の具体的な内容を記載した「備考」を、保険約款の中に設けております。

(2)高度障害保険金の免責事由
高度障害保険金の支払事由だけでなく免責事由(2月29日のブログを参照)も、保険会社によって若干の違いがありますが、多くの保険会社は次のようなものを、免責事由として保険約款に定めております。

・保険契約者や被保険者の故意
これは高度障害保険金を受け取るため、わざと障害になった場合などを示します。

・保険契約者や被保険者の重大な過失

・保険金受取人の故意
一般的な保険約款では高度障害保険金の受取人を、被保険者本人と定めておりますが、死亡保険金の受取人と定めている保険約款もあり、その保険約款では保険金受取人の故意を、免責事由と定めております。

・被保険者の犯罪行為
被保険者の犯罪行為については、全く免責事由としない保険会社と、一定期間に限り免責事由としている保険会社があります。

・戦争その他の内乱
高度障害に該当した被保険者の数の増加が、保険の計算基礎に及ぼす影響が少ない場合には、その程度に応じ高度障害保険金を全額、または削減して支払う事があるとする保険会社と、免責とはせずに同様の内容を、「削減支払」としている保険会社もあります。

・被保険者の自殺行為

以上のようになりますが、高度障害保険金が支払われるためには死亡保険金と同じように、契約時の告知義務違反(2月27日のブログを参照)もあってはなりません。
posted by FPきむ at 20:14 | 生命保険の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする