2012年07月23日

誰でも入れる医療保険はなぜ成り立つのか?

高齢になってから医療保険に加入したいと思う方は、医師の審査や告知書の提出をしないで加入できる、誰でも入れる医療保険(正式には「無選択型保険」と言いますが、詳細については4月4日のブログを参照)が、魅力的に見えるかもしれません。

しかし保険会社はボランティア団体ではありませんので、ちゃんと儲けが出せるように、次のような条件を付けている場合がありますので、その点には注意が必要になります。

(1)保険料の金額
医療保険の保険料は入院する確率を元に算出しているので、大雑把に言えば健康な方の10倍入院の可能性がある方なら、保険料を10倍にする必要があります。

そのため誰でも入れる医療保険は一般的な医療保険より、保険料は割高になっておりますが、加入時の保険料は割安にして、更新時に保険料が一気に上昇する場合もあります。

ですから最初の保険料の金額だけでなく、更新時の保険料も十分に調べて納得してから、誰でも入れる医療保険に加入した方が良いのです。

(2)医療保険ではなく傷害保険
誰でも入れる医療保険の保険料は割高と(1)で紹介しましたが、割安な医療保険も存在します。

しかしそのような保険は、誰でも入れる医療保険ではなく、誰でも入れる傷害保険である場合が多いのですが、つまり自動車保険などと同じ損害保険なのです(商品名の下に小さな文字で、「長期保障傷害保険」と記載されております)。

病気やケガをした時にお金を受け取れるなら、どっちでも良いではないかと考えてしまいますが、傷害保険は病気を補償対象に含めておらず、ケガだけしか補償しておりません。

また医療保険は入院給付金を日額1万円に設定しておけば、医療費がいくらになっても入院している限りは、日額1万円の入院給付金を受け取れますが、傷害保険は実際に掛かった費用までしか、保険金として受け取れません。

つまり傷害保険とはケガで入院や通院をした場合に、その入院や通院に掛かった費用が支払われる保険ですので、その点を十分に理解してから加入した方が良いのです。

(3)不担保または減額期間
誰でも入れる医療保険は保険に加入してから90日程度は、入院給付金や手術給付金などが支払われない期間(不担保期間)や、入院給付金や手術給付金などが減額される期間が設けられております。

それでは91日目から入院や手術をすれば良いと考えてしまいますが、不担保または減額期間が過ぎてから2年程度は、保険に加入する前に罹っていた病気に対して、入院給付金や手術給付金などが支払われません。

また保険に加入した後に罹った病気であっても、保険に加入する前に罹っていた病気と、医学上重要な関係のある病気であれば、入院給付金や手術給付金などが支払われません。

【病名→医学上重要な関係のある病気】
・高血圧症
→高血圧症を起因とする心臓疾患、脳血管疾患、腎臓疾患

・糖尿病
→糖尿病を起因とする腎症、網膜症、白内障

・大腸ホリープ
→大腸ホリープを起因とする大腸ガン

・動脈硬化症
→動脈硬化症を起因とする脳血管疾患

・胆石症
→胆石症を起因とする胆のう炎、胆のうガン、胆管炎

・胆機能障害
→胆機能障害を起因とする慢性肝炎、肝硬変、肝ガン

・高尿酸血症
→高尿酸血症を起因とする通風

誰でも入れる医療保険の保険期間は5年程度ですが、上記のように約半分は何らかの制限がある場合が多いですので、この点を十分に理解してから加入した方が良いのです。

(4)1入院と通算の限度日数
一般的な医療保険では60日〜1,000日程度の、1入院あたりで入院給付金が受け取れる限度日数があります。

また保険期間を通じて700日〜1,000日程度の、入院給付金が受け取れる通算の限度日数があります(詳細については6月11日のブログを参照)。

誰でも入れる医療保険はこの二つの限度日数が短く、1入院あたりの限度日数が45日や60日程度で、保険期間を通じての限度日数が120日程度となっております。

生命保険文化センターのサイトに掲載されている、厚生労働省が行った「病気別・年齢階級別平均在院日数」の調査を見ると、高齢になるほど入院日数は長くなる傾向がありますので、これはかなりのデメリットになります。

以上のような条件を付ける事により、誰でも入れる医療保険は成り立っておりますので、これらの点を十分にチェックして、預貯金よりも魅力があると判断したら、加入を検討すれば良いのです。
posted by FPきむ at 20:39 | 医療保険に加入する前に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする