2012年07月21日

誰でも入れる生命保険はなぜ成り立つのか?

高齢の方で自分が死亡した時に、葬儀費用くらいは遺族に残したいと考えている方は、医師の審査や告知書の提出をしないで加入でき、しかも一生涯の保障が続く誰でも入れる生命保険が、魅力的に見えるかもしれません。

しかし保険会社はボランティア団体ではありませんので、ちゃんと儲けが出せるように、次のような条件を付けている場合がありますので、その点には注意が必要になります。

(1)更新時の保険料
誰でも入れる生命保険のCMを見ると、「保険料が年齢、性別、職業を問わず月額○○円」と宣伝しておりますが、何年経っても保険料は変わらない印象を与えます。

その程度の保険料だったら死亡するまで支払えると思い加入してみたら、更新時に保険料が一気に上昇する場合があります。

最初の保険料の金額だけでなく、更新時の保険料も十分に調べて納得してから、誰でも入れる生命保険に加入した方が良いのです。

(2)保険料の支払総額と死亡保険金のバランス
一般的な生命保険では保険料の支払総額が、死亡保険金の金額を超えてしまうなどという事は、通常考えられません。

しかし誰でも入れる生命保険は、ある程度の期間加入すると保険料の支払総額が、死亡した時に遺族が受け取る死亡保険金の金額を、超えてしまう場合があるのです。

つまり長生きすればする程、必要以上の保険料を支払い続け、タンス預金よりも損になるという、おかしな現象が生じてしまうのです。

だったら早く死亡すれば損をしないのではないかと考えてしまいますが、保険に加入してから数年程度は、満額の死亡保険金が支払われず、数割程度がカットされてしまうのです。

その結果として死亡保険金の金額が、保険料の支払総額を下回ってしまう場合がありますので、早く死亡しても上記と同じような、おかしな現象が生じてしまうのです。

ですから誰でも入れる生命保険に加入する際には、保険料の支払総額と死亡保険金のバランスを、電卓を使って十分に調べた方が良いのです。

(3)生命保険ではなく傷害保険
誰でも入れる生命保険は、誰でも入れる傷害保険である場合が多いのですが、つまり自動車保険などと同じ損害保険なのです(商品名の下に小さな文字で、「長期保障傷害保険」と記載されております)。

死亡した時に遺族がお金を受け取れるなら、どっちでも良いではないかと考えてしまいますが、例えば交通事故で死亡した場合に、加害者から葬儀費用として、遺族が200万円を受け取ったとします。

もしその金額で葬儀が済んでしまった場合には、傷害保険からは全く保険金が支払われませんが、その理由として傷害保険は、実際に生じた損害を補償するのが目的ですので、加害者から受け取った金額で葬儀が済めば、損害が生じていないと考えられてしまうからです。

また死亡保険金として支払われる金額に、「下限○○円〜上限○○円」と記載されておりますが、上限○○円が支払われる確率は極めて低いので、足りない葬儀費用は遺族が支払う事になります。

一方生命保険は死亡保険金として、遺族が200万円を受け取れるように契約をしておけば、

・契約の無効(2月25日のブログを参照)

・契約の解除(2月27日のブログを参照)

・免責事由(2月29日のブログを参照)

などに該当しない限り、加害者から葬儀費用を受け取ったとしても、遺族は必ず200万円を受け取る事ができます。

以上のような条件を付ける事により、誰でも入れる生命保険は成り立っておりますので、これらの点を十分にチェックして、預貯金よりも魅力があると判断したら、加入を検討すれば良いのです。
posted by FPきむ at 20:16 | 生命保険に加入する前に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする