2012年06月11日

入院給付金とは

医療保険からは様々な給付金が支払われますが、どの医療保険でも共通して支払われる給付金に、「手術給付金」と「入院給付金」があります。

そのうちの入院給付金とは、かかった医療費に関係なく入院した日数に応じて、1日あたり5,000円から1万円程度の、現金が支払われる給付金になります(入院給付金が1万円を超える医療保険もありますが、医師の審査が必要になるため、多くの方が1万円以下を選択しているようです)。

入院給付金の日額が1万円の医療保険に加入している方が、例えば30日間入院すると、入院給付金の総額は1万円×30日で30万円になります。

ただ上記のような単純な掛け算で、入院給付金の総額を算出できない場合があり、その理由として入院給付金には、以下のような特徴があるからです。

(1)免責期間がある
多くの医療保険では入院初日から4日程度、入院給付金が支払われない期間を設けておりますが、これを「免責期間」と言います。

ただ「初期入院特約」を付けると、入院初日から入院給付金(初期入院給付金)が支払われる医療保険もありますが、これはお得になるのでしょうか?

例えば入院給付金の日額が1万円で、65歳まで保険料を支払う終身型医療保険に、30歳の方が加入した場合で、初期入院特約の保険料が毎月1,000円だったとします。

このような場合の初期入院特約の保険料の合計額は、1,000円×12ヶ月×35年で42万円になりますが、これを初期入院給付金の合計である4万円(1万円×4日)で割ると、42万円÷4万円で10.5になります。

つまり5日以上の入院を生涯に10.5回以上しなければ、初期入院給付金の受け取り総額が、初期入院特約の保険料の合計額を上回らない事になります。

またそもそも医療保険に加入するのは、入院が長引き医療費の負担が大変になるのをカバーするためなので、4日以内の入院だったら預貯金で賄えるという考え方もあります。

ですから初期入院特約は無理に付けなくても良い特約になりますが、その他の特約として「通院特約」が付けられる医療保険もあります。

これも無理に付けなくても良い特約だと思いますが、それはただ通院しただけでは通院給付金は支払われず、入院をした後の通院でなれば、通院給付金が支払われない場合が多いからです。

(2)1入院あたりの限度日数がある
一般的な医療保険では60日〜1,000日程度の、1入院あたりで入院給付金が受け取れる限度日数がありますが、60日か120日を選択している方が多いようです。

生命保険文化センターのサイトに掲載されている、厚生労働省が行った「病気別・年齢階級別平均在院日数」の調査を見ると、入院給付金が60日だと平均在院日数より少なくなる場合があり、入院給付金が120日だとほとんどの病気の、平均在院日数を上回る事がわかります。

ただ60日より120日の方が当然保険料は高くなりますので、例えば入院給付金を1万円にしようとするなら、60日に5,000円、120日に5,000円という加入の仕方も考えられます。

こうすると入院給付金が1万円の医療保険に、120日で加入するより保険料は安くなりますが、入院日数が60日を超えると入院給付金が、5,000円から1万円に減額されます。

しかしほとんどの病気の平均在院日数は60日以下ですし、医療技術の進歩により入院日数は短くなる傾向がありますので、このような加入の仕方を検討しても良いと思います。

ところで多くの医療保険の保険約款には、「同じ病気や関連する病気で入退院を繰り返した場合、退院から180日以内の入院は1入院とみなす」と記載されております。

ですから入院給付金の受け取り限度日数が、60日の医療保険に加入していた方が、40日分の入院給付金を受け取り、同じ病気で退院から180日以内に40日間入院した場合、2回目の入院では60日−40日の20日分しか、入院給付金を受け取れません。

(3)保険期間を通じた限度日数がある
(2)は1入院あたりで入院給付金が受け取れる限度日数になりますが、「保険期間」を通じても入院給付金が受け取れる限度日数があります。

保険期間とは保険で保障される期間になりますが、一生涯の保障が続く「終身型医療保険」と、一定期間が経過すると保障が終わり、更新を繰り返していく「定期型医療保険」があります。

よくある勘違いとして終身型医療保険に加入すると、一生涯の保障が続くと思ってしまいますが、保険に加入してから死亡するまでの間に、入院給付金を受け取った日数が、保険期間を通じて入院給付金が受け取れる限度日数を超えると、それ以降の入院給付金は支払われません。

この通算限度日数は700日〜1,000日程度の医療保険が多いのですが、通算限度日数が長くなれば保険料も高くなりますので、730日(約2年)前後を選択している方が多いようです。

以上のようになりますが、平成19年(2007年)4月に発覚した保険会社の不払い問題の際には、通院給付金の請求もれが圧倒的な多さで見つかりました。

ですから通院特約を付けた場合には、主契約(手術給付金と入院給付金)の請求とは別に、通院給付金を請求し忘れないようにしなければなりません。
posted by FPきむ at 21:31 | 医療保険の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする