2011年09月10日

保険業法による保険販売の規制

保険業法とは保険業に携わる者が守らなければならない基本的な法律ですが、(1)「保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営」、(2)「保険募集の公正」の二つを確保する事により、保険契約者などの保護を図る事を目的としております。

(2)の「保険募集の公正」を確保するため、9月7日のブログで紹介した景品表示法と同じように、保険業法でも保険の契約者に商品券や図書カードなどのプレゼントする事に規制があります。

その根拠となるのは保険業法の第300条第1項第5号になりますが、そこでは「保険料の割引、割戻しその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為」を禁止しており、つまりお客様に対しては特別の利益に該当しない程度の、プレゼントをしないといけないのです。

景品表示法で規制の対象となるのは、「事業者が自己の供給する商品、サービスの取引に付随して提供」したプレゼントになりますが、これは保険を契約してくれたらプレゼントをするという場合だけではなく、すでに保険を契約しているお客様に対するプレゼントも含まれる場合があります。

しかし保険業法で規制の対象となるのは、保険を契約してくれたらプレゼントをするという限定された場合になりますので、見積もりを取ったり、保険商品の詳しい説明を聞いたりしてくれた方に、保険の契約とは関係なくプレゼントするのは規制の対象外になります。

ただすでに保険の契約をしているお客様に対するプレゼントは、保険の契約とは全く関係なくプレゼントをしているとは言えない面もありますので、特別の利益と解釈される場合もあります。

具体的にどのようなプレゼントが特別の利益に該当するのかは、以下の「保険会社向けの総合的な監督指針」のII −3−3−2(5)で判断する事になりますが、この3つの要素を総合的に考慮して特別の利益に該当するのかを判断します。

(ア)提供する利益の経済的価値や内容の社会相当性の有無

(イ)提供する利益の換金性の程度と使途の範囲の広さと程度

(ウ)利益の提供が保険契約者間の公平性を阻害する程度

保険の契約者に対してポイントを付与し、当該ポイントに応じた生活関連の割引サービス等を提供している保険会社がありますが、その際ポイントに応じてキャッシュバックを行う事は、保険料の割引・割戻しに該当しますので原則的に禁止されております。

このようにお客様にプレゼントをする時は特別の利益に該当するかだけではなく、保険業法の他の部分で違反がないかも考える必要があります。

また上記の(ア)から(ウ)を元に特別の利益に該当するのかを判断するのは難しいので、特別の利益に該当しないプレゼントの範囲と上限の目安を定めた保険会社の内部的な規則を守る事が、保険業法に違反しないために大切な事です。
posted by FPきむ at 20:18 | 保険に関連する法律の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする