2020年11月05日

携帯料金と生命保険の「複雑すぎる問題」は、新型コロナに解決を委ねる

令和2年(2020年)10月27日の産経新聞を読んでいたら、携帯値下げ阻む複雑プラン…菅政権、利用者目線でメス入れられるかと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『総務省は27日に公表した携帯電話料金の引き下げに向けたアクションプランで、過度に複雑な料金体系が値下げの阻害要因になっていると指摘した。

政府の値下げ圧力に対し、携帯大手は新たな大容量プランを追加する方向でおおむね固まりつつあるが、料金体系はむしろ複雑さを増しそうだ。

利用者目線で分かりやすくなるよう料金プランにメスを入れることができるかも今後の焦点になる』

『総務省は今回のアクションプランで「分かりやすい料金の実現」を柱の一つにした。

これまでは事業者間の競争促進策に力を入れてきたが、複雑な料金体系が足かせとなり乗り換えが停滞したとみる。今後はセット割引の在り方などを有識者会議で検証する方針だ。

もっとも、政府の値下げ要請に応える新プラン導入や第5世代(5G)移動通信システムに対応した料金の追加などで、プランは複雑化の一途をたどる。

コンテンツを軸とした差別化競争も進み、KDDIは「ネットフリックス」など人気の動画・音楽コンテンツがセットになったプランも複数用意する。

「多様化するニーズに応えるプランをそろえる必要がある」(関係者)側面もあるが、一方で顧客本位のサービス実現に向けては、料金体系の低廉化と簡素化をどう両立するかも問われている』

以上のようになりますが、政府は携帯電話会社の大手3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)に対して、値下げ圧力をかけております。

例えば菅総理は大手3社に対して、「利益率20%は儲けすぎだ」と批判しておりました。

また大手3社の携帯料金は、「今より4割値下げできる余地がある」とコメントしておりました。

しかし冒頭で紹介した記事を読んでみると政府は、「携帯料金が高すぎる問題」から、「料金プランが複雑すぎる問題」に、焦点を移したようです。

この理由としては料金プランが複雑すぎて、格安スマホなどと携帯料金を比較できないため、業者間の競争が阻害されていると、考えているからのようです。

つまり携帯料金が比較しやすくなれば、業者間の競争が促進されるため、携帯料金が安くなるという訳です。

ただ携帯料金が比較しやすくなっても、利用者が携帯料金の安い方に乗り換えしなければ、業者間の競争は促進されないと思います。

また携帯料金の安い方に乗り換えしない利用者は、意外に多いような気がするのです。

その理由として携帯電話会社を変えるのは、ある程度の手間と時間がかかるからです。

携帯電話だけでなく生命保険についても、同じような問題があるのではないかと思います。

つまり生命保険の保障内容を見直したり、他者の生命保険に乗り換えたりすると、保険料が安くなると分かっているのに、ある程度の手間と時間がかかるので、何もしないで放置しているというものです。

それ以前に大手生保が販売する商品は、大手3社の料金プランと同じように、複雑すぎて比較するのが難しいという問題があります。

この複雑すぎる問題に影響を与えそうなのが、感染拡大が続く新型コロナだと思います。

先日新聞を読んでいたら、新型コロナの感染拡大により、営業職員の対面販売が難しくなったので、明治安田生命が令和3年(2021年)4月から、インターネットで保険商品の加入手続きを始めるというニュースが、掲載されておりました。

インターネットで加入手続きをする場合、従来のように営業職員からは説明を受けられないため、約款などをしっかりと読んで、保障内容を理解する必要があります。

また読んで理解するためには、保障内容は簡単な方が良いため、インターネットでの加入手続きが普及していくと、生命保険の保障内容はシンプル化していくと予想しております。

実際のところ、ネット専業の生保(ライフネット生命など)が販売している商品や、各種の共済(県民共済など)が販売している商品は、保障内容が大手生保よりシンプルになっております。

これと同じように携帯電話の料金プランも、インターネットで新規契約や機種変更する方が増えると、複雑なものは読んで理解するのが難しいため、シンプル化していく可能性があるのです。

また大手3社の料金プランは理解するのが難しいため、これより料金プランがシンプルな格安スマホに乗り換えする方が、以前より増えるかもしれません。

このように考えると政府は、料金プランを簡素化しろと、大手3社に対して圧力をかけるだけでなく、3密を避けるためにインターネットで手続きして下さいと、国民に対しても圧力をかけた方が良いと思います。
posted by FPきむ at 20:52 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月20日

携帯料金と生命保険の保険料は、値下げの必要性が総合的・俯瞰的に低い

令和2年(2020年)10月4日の東洋経済を読んでいたら、日本人はドコモの高い携帯料金に甘んじていると題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『実際、日本ではいわゆる格安スマホがあふれている。なかには質の悪いものもあるが、質のよいものもある。

実際、私も10年近く格安スマホを使っているがサービスには満足しており、携帯電話代が高いとは一度も思ったことがない。

むしろ、過去、アメリカなどの携帯電話代のほうが非常に高く、回線を保有することができなかったという記憶しかない』

『高いのがいやなら、乗り換えればよい。しかし、それをしない。なぜか。いろいろな理由があると思うが、最大の理由は、ドコモのサービスが「良すぎる」からである。

どこにでもドコモショップがあり、何か困ったら何でも助けてくれる。SIMカードを入れたり、新しいスマホの操作を教えてくれたり、至れり尽くせりだ』

『しかも、通信の品質以外のサービスにおいては、ドコモは間違いなく世界一のサービスであり、私に言わせれば、世界一の過剰なサービス、無駄なサービスを提供しているのである。

だが私は無駄だと思っても、スマホユーザーの大多数はそれを好み、あるいは他社に変えるほど悪くはないなどの消極的な理由から、それを選んでいる。

結局、日本の携帯通信価格が高いのは「消費者が望んでいるから」という結論になるのである』

以上のようになりますが、菅政権の目玉政策と言われている、携帯料金の4割値下げが、話題になっております。

携帯料金が値下げになるのは、もちろん良い事だと思うのですが、個人的には次のような疑問を感じております。

(1)節約は変動費ではなく固定費から始める
携帯料金4割値下げのニュースを聞いて、最初に頭に思い浮かんだのは、民間企業の提供する商品やサービスの値段に、総理が口出ししても良いのか?という疑問です。

もしこれが可能ならば、例えば生命保険会社に対して、保険料の値下げを要請して欲しいと思います。

その理由として、FP(ファイナンシャル・プランナー)などのお金の専門家が書いた本を読むと、「食費などの変動費より、固定費の節約を優先した方が良い」と、よく記載されております。

また節約した方が良い固定費の例として、携帯料金の他に、生命保険の保険料が挙げられている場合が多いからです。

もし菅総理の要請によって、携帯料金と生命保険の保険料が値下げになった場合、二つの代表的な固定費が節約になるのですから、家計は楽になると思います。

(2)儲けを蓄えて次のショックに備える
財務省が作成している、平成30年(2018年)度の法人企業統計によると、企業(金融・保険業を除く全産業)が貯えた内部留保は、前年度より3.7%増えて、463兆1,308億円となり、7年連続で過去最高を更新しました。

このような企業に対して麻生財務大臣は、内部留保を賃金や設備投資に回して欲しいと、何年も前から要請していたと思います。

当初はこの要請に対して、とても共感していたのですが、最近は少し考え方が変わりました。

その理由として沢山の内部留保があったからこそ、コロナショック(新型コロナウイルスによる経済危機)が発生した際に、多くの企業が倒産を回避できた可能性があるからです。

ニュースによると菅総理は、大手3社の携帯電話会社を、儲けすぎだと批判しているようです。

ただコロナショックの経験から考えると、次にやってくるショックのために、儲けを増やして、その中の一部を蓄えておくというのは、大切な事ではないでしょうか?

(3)携帯料金と生命保険は値下げの必要性が低い
冒頭で紹介した記事を読むと、格安スマホという選択肢があるのに、これより携帯料金が高いドコモを使い続けるのは、なんだかんだ言ってドコモのサービスに満足している消費者が、多いからだと記載されております。

また記事を書いた著者は、サービスの質や量が下がっても良いので、携帯料金を安くしたいという消費者は、ドコモから格安スマホに切り替えて下さいと、アドバイスしていると思います。

このアドバイスは生命保険の保険料を安くしたいという消費者にも、役に立つような気がするのです。

その理由として現在は、ライフネット生命などのネット生保が、サービスは程々だけど、大手より保険料が安い、格安スマホのような生命保険を提供しているからです。

このようにスマホと生命保険は、携帯料金(保険料)の高さに不満を感じている消費者の、受け皿があるのですから、菅総理が値下げを要請する必要性は、総合的・俯瞰的に低いのではないでしょうか?
posted by FPきむ at 20:58 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする