2019年11月15日

日本人の半数は仕事と職場に不満があるので、郵政のノルマ廃止は難しい

令和元年(2019年)11月13日の西日本新聞を読んでいたら、「厳しいノルマ 理由の一つ」 日本郵政社長、認識翻す かんぽ不正問題 参院委質疑と題した、次のような記事が掲載されておりました。

『日本郵政の長門正貢社長は12日の参院総務委員会で、かんぽ生命保険の不正販売問題の原因について「われわれの分析作業を進める中でも、厳しい(販売)目標が一つ、大きな理由であったのではないか」と述べた。山下芳生氏(共産党)の質問に答えた。

販売目標に関しては、弁護士でつくる特別調査委員会が9月末の中間報告書で「現場の営業の実力に見合わない目標金額」が不正につながったと指摘。

達成のため、「どう喝指導」と称される行為があったことも明らかにされたが、長門氏はこの時点では「ものすごい無理な数字を、法外な根拠レスの数字を置いたという自覚はない」との認識を示していた。

この日、社内の労働環境も難波奨二氏(立憲民主党)からただされた長門氏は、「他企業と比べても遜色ない」「労働組合との交渉により随時、改善を図ってきている」などと主張した。

また、一連の不正発覚後に、関与した郵便局員の退職が相次いでいるとされることについて、日本郵便の横山邦男社長は「(退職者数は)昨年までと比べて、そんなに差はない」と答弁した』

以上のようになりますが、ここ最近は郵便局の職員による、保険の不正販売に関するニュースを、あまり見かけない気がします。

そのため冒頭の記事を見た時は、久しぶりだなと思ったのですが、内容的には日本郵政の長門正貢社長が、保険の不正販売が起きた理由のひとつは、厳しいノルマだったという認識を示したというものです。

だったらノルマを永久に廃止するのが最善策になりますが、日本郵政だけでなく他の会社でも、それは難しいと考えております。

そのように考える根拠として、NHK放送文化研究所が加盟している国際比較調査グループISSPが、平成27年(2015年)に実施した調査「仕事と生活(職業意識)」を分析した、何が仕事のストレスをもたらすのかという資料があります。

この資料によると、仕事がおもしろい(そう思う+どちらかといえば、そう思う)と回答した日本人は、男性は43%、女性は50%という結果でした。

男女共に仕事がおもしろいと回答したのは、半数くらいになりますが、調査を実施した31ヶ国の中では、男性は下から2番目、女性は下から3番目になるため、国際的にはかなり低い水準です。

また同じ調査を分析した、仕事の満足度を左右するのは、仕事内容か、人間関係かという資料があります。

この資料によると、勤めている企業や組織に誇りを感じている(そう思う+どちらかといえば、そう思う)と回答した日本人は45%であり、男女で大きな差はなかったようです。

こういった調査結果を見ていると、日本人の半数くらいは仕事と職場に不満があるとわかります。

ですから何らかの目標がないと、仕事に対して意欲的に取り組めないため、ノルマの廃止は難しいと考えるのです。

なお前者の資料によると、経営者と従業員の関係が良いと思う(非常に良い+まあ良い)と回答した日本人は、男性は54%、女性は60%という結果でした。

これは調査を実施した31ヶ国の中で、男性は下から2番目、女性は下から4番目になるため、国際的にはかなり低い水準です。

このように経営者と従業員の関係が良くないのは、経営者は無謀なノルマを押し付けてくる存在と、従業員が考えているせいかもしれません。

また経営者と従業員の関係が良くないと、経営者は現場の従業員の状況がよく理解できないため、現場の営業の実力に見合わないノルマを、与えてしまうのかもしれません。

それにしても日本人の半数くらいは、仕事と職場に不満があるのが事実だとしたら、仕事の選び方を間違えている方が、かなり多いような気がするのです。

将来的には年金の支給開始年齢が、引き上げされる可能性があり、実際に引き上げされたら、不満な仕事と職場にかかわる期間が、現在より長くなってしまうのです。

これは非常に辛い事ですから、学生時代のキャリア教育を充実させて、ミスマッチが起きないようにする必要があると思います。

また金融機関のノルマは、何らかの形で残っていくと思うので、必要性の低い金融商品を買わされないようにするために、学生時代の金融教育を充実させる必要があると思います。

ただ今回の保険の不正販売に関しては、高齢者の被害が多かったようなので、まずはこういった方を保護する仕組みを、国が整備する必要があるはずです。
posted by FPきむ at 20:39 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月01日

マネードクターの正体は、「外貨建て保険商法」を応用した乗合代理店

かんぽ生命の委託を受けた、日本郵便の職員による保険の不適切販売が、世間の注目を集めております。

この不適切販売とは例えば、顧客と新契約を結んでから、6ヶ月以内に旧契約を解約すると、旧契約の乗り換えと見なされ、職員の手当が少なくなってしまうので、この6ヶ月間について、保険料を二重払いさせていたというものです。

また旧契約を解約してから、3ヶ月以内に新契約を結ぶと、旧契約の乗り換えとみなされ、職員の手当が少なくなってしまうので、3ヶ月の無保険期間を作った後に、顧客と新契約を結んでいたというものです。

もしこの3ヶ月の無保険期間に、保険事故(死亡、病気やケガなど)が発生した場合には、今まで保険料を支払ってきたのに、保険金を受け取れません。

また病気やケガにより、新契約を結べない場合には、3ヶ月が経過した後も、無保険期間になってしまうのです。

現在は保険販売を自粛しておりますが、不適切販売に関する調査を進めたり、再発防止策を講じたりしたうえで、保険販売の再開を目指しております。

ただ令和元年(2019年)10月に再開予定だった保険販売は、世間からの批判が強かったため、翌年の1月以降に延期されました。

そのため当面は保険の不適切販売に関するニュースに、注目が集まりそうですが、外貨建て保険のトラブルに関するニュースも、忘れてはいけないと思うのです。

日本銀行のマイナス金利政策の影響などにより、企業に対する貸し出しで利ざやを稼ぎにくくなった銀行は、高い販売手数料を得られる外貨建て保険の販売に、力を入れるようになりました。

この辺りから外貨建て保険に関するトラブルが増加しており、現在でもその状態が続いているのです。

この外貨建て保険は運用結果や為替レートで、将来に受け取れる年金や保険金の金額が変わります。

また運用が上手くいかなかったり、契約時より円高外貨安が進んだりすると、元本割れする場合があるのです。

それにより元本割れを想定していなった顧客と銀行との間で、トラブルが発生するのです。

そもそも外貨建て保険は投資性が強いため、貯蓄好きで投資嫌いな日本人には、あまり合っていないと思います。

それでも外貨建て保険が売れているのは、銀行の営業力だけでなく、商品名の最後に「保険」という単語が付いているため、投資を始めるという感覚が、発生しないからだと思うのです。

このように投資性の強い商品を、保険というオブラートで包んで顧客に販売する事を、個人的には「外貨建て保険商法」と呼んでおります。

保険というオブラートで包まれているため、味はわからないのですが、中身は苦い粉薬(投資性の強い商品)です。

もし上手く飲めなくて、オブラートが溶けてしまった場合(運用が上手くいかなかった場合、契約時より円高外貨安になった場合)には、口の中に苦い粉薬が溢れて、その正体に気が付きます。

そうなると対処に困りますので、苦い粉薬が苦手という方は、初めから錠剤やカプセル(投資性の弱い商品、元本が確保された商品)に、変えてもらった方が良いのです。

ところで最近はテレビなどを見ていると、俳優の高橋一生さんが出演している、「マネードクター」のCMをよく見かけます。

マネードクターを翻訳すると、お金のお医者さんですから、様々なお金の問題を解決してくれる、FP(ファイナンシャル・プランナー)のような存在だと想像しました。

しかしマネードクターについてインターネットで調べてみると、元々は「保険のビュッフェ」というブランド名の乗合代理店だとわかり、またブランド名をマネードクターに変更した後も、事業内容に大きな変化はないようです。

なお乗合代理店とは「ほけんの窓口」、「保険見直し本舗」、「保険市場」などのような、複数の保険会社と代理店契約を結んでいる保険代理店です。

本来の姿は乗合代理店なのに、マネードクターという信頼性を感じさせる名称で、本来の姿をわからなくするという手法は、上記の外貨建て保険商法の応用ではないかと思いました。

また保険会社から得られる販売手数料で、商売が成り立っているのですから、保険以外のお金の相談に応じてくれたとしても、どこかのタイミングで保険の話になると思います。

これでは納得できない方もいると考えられるため、初めから保険の相談がメインで、その他のお金の相談はおまけだと、伝えておくべきではないでしょうか?

また保険以外のお金の相談がしたい、保険はもう必要ないという顧客からは、時間などに応じた相談料をもらい、保険の販売はしない方が良いと思うのです。
posted by FPきむ at 20:57 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする