令和5年(2023年)2月23日の時事通信を読んでいたら、マイナカード、申請率7割に 松本総務相と題した、次のような記事が掲載されておりました。
『松本剛明総務相は23日、視察先の千葉市で記者団に対し、マイナンバーカードの申請件数が21日時点で約8833万件となり、人口に対する割合が7割(70.1%)に達したことを明らかにした。交付枚数は約7893万枚で、交付率は62.7%。
総務相は、カード取得者にポイントを付与する「マイナポイント第2弾」の対象となるカードの交付申請期限が今月末となっていることに触れ、「これ以上の延長はないので、カードを申請していない人はぜひしてほしい」と呼び掛けた』
以上のようになりますが、マイナンバーカードの申請件数が5割を超えたのは、令和4年(2022年)8月頃だったはずです。
そうなると半年くらいの間に申請件数が、2割くらい伸びた事になるため、従来と比較するとハイペースだと思います。
おそらく最大で2万円分のポイントが付与されるマイナポイントの第2弾が、大きな影響を与えたと推測されます。
また大物俳優などが何人も出演している、「皆が持っているのに、あなたは持っていないのですか?」というようなメッセージのCMも、影響を与えたと思います。
そのように考える理由として日本人は、義務化していないマスクを皆が付けている点からもわかるように、同調圧力に弱い傾向があるからです。
ただマイナポイント、大物俳優などのギャラ、全国の未取得者に送られた申請書で、かなりの税金を使っているはずなので、費用対効果の点から考えたら、かなり効率が悪いと思うのです。
そのためマイナポイントの第2弾を、もう延長しないと決めたのなら、大物俳優などが出演するCMや、頼んでもいないのに勝手に送られてくる申請書も、止めて欲しいと思います。
また令和6年(2024年)秋頃に健康保険証を廃止し、マイナ保険証(健康保険証としての登録を済ませたマイナンバーカード)に一本化した後に、未取得者に送られる予定の資格確認書も、止めて欲しいと思います。
すでに7割くらいの方がマイナンバーカードの取得を申請しているようですが、この7割のすべてがマイナンバーカードを、マイナ保険証にするとは限りません。
これに加えてマイナンバーカードをマイナ保険証にしようと思っても、手続きがよくわからない方もいるのです。
また7割くらいの方がすべて、マイナ保険証を取得したとしても、残りの3割は持っていないのです。
そのため健康保険証を資格確認書に切り替えるために、かなりの税金がかかると推測されるので、従来の健康保険証を廃止せずに、並行して使えるようにして欲しいと思います。
このように考える二つ目の理由としては、マイナンバーカードの大失効時代がやって来ると予想するからです。
マイナンバーカード本体と、これに格納されている電子証明書には、次のような有効期限があります。
・マイナンバーカード:発行日から10回目の誕生日(20歳未満は発行日から5回目の誕生日)
・電子証明書:発行日から5回目の誕生日
これらの有効期限があるのを知らなかった、または知っていたけれども手続きの時間がなかったなどの理由で、更新できない場合があります。
マイナンバーカードに格納されている電子証明書は、市区町村の窓口まで足を運ばないと更新できないため、例えば平日に仕事を休むのが難しい方は、手続きの時間がとれないかもしれません。
またマイナンバーカードを保有したけれども、特にメリットを感じなかったため、意図的に更新しない方もいると思います。
こういった理由によって、マイナンバーカードや電子証明書の更新手続きをしない方が増えると、おそらく今から5年後あたりに、最初の大失効時代がやって来ます。
そうなると診療を受ける際に不便になるため、従来の健康保険証を廃止せずに、並行して使えるようにして欲しいのです。
例えば一本化された後に電子証明書が失効したため、いったんは医療費の全額自己負担を求められたとしたら、健康保険証の有難みを実感すると思います。
なお電子証明書の更新から24時間以内は、マイナンバーカードをマイナ保険証にする手続きができません。
そのため更新手続きをきちんと実施している方でも、マイナ保険証を利用できないケースがある点について、注意する必要があるのです。
2023年03月02日
2023年02月01日
保険証を没収していれば、中条きよし参院議員の年金未納は防げたと思う
令和5年(2023年)1月25日の東京新聞を読んでいたら、中条きよし参院議員に「年金未納」が発覚した意味 政治家にとって「鬼門」とされる理由とはと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。
『昨夏の参院選の比例代表で初当選した中条きよし参院議員(76)が、年金保険料を納めていない時期があったことが明らかになった。
所属する日本維新の会の幹部は今後の対応について、曖昧な言葉を繰り返す。過去を振り返れば、年金問題は政治家にとって「鬼門」。維新はこの先、どうするのか。
「僕はうそをつかない。逃げも隠れもしない」
俳優や歌手として活動し、時代劇「新・必殺仕事人」やヒット曲「うそ」で知られる中条氏は23日、国会内で記者団の取材にそう語った。
同氏の議員事務所に尋ねると「事実関係を確認中。対応は幹事長に一任している」とだけ話す。
では、維新の藤田文武幹事長はどうか。同日の会見では「全ての期間で納付しているかというと、そうではないと本人が認めている」と明らかにした。
未納問題は、先週発売の週刊文春の報道で発覚。中条氏は数十年間の未納期間があり、日本年金機構の職員が督促したが「年金なんていらない。払わない」と断られた、という内容だ。
藤田氏は事実関係の一部に誤りがあると指摘し、未納期間の調査には数カ月かかるとも説明。その上で「事実関係を把握し、対応を決めたい」と述べた』
以上のようになりますが、この記事を読み終わった時に、もっとも気になったのは、「年金なんていらない。払わない」という部分です。
こういった主張が認められるのだったら、次のような恐ろしい主張も、認められてしまうと思うのです。
「俺様は運転が上手いから絶対に事故は起こさない、だからシートベルトを付けなくても良いのだ」
「俺様はお酒に強いから絶対に悪酔いはしない、だから飲酒運転したって問題はないのだ」
冗談はさておき、国民年金の保険料を未納にしていた中条きよし参院議員であっても、おそらく国民健康保険の保険料は、きちんと納付していたと思います。
そのように考える理由としては、若くても病気やケガになるため、次のような発想は思い浮かびにくいからです。
「俺様は絶対に病気やケガにならない、だから国民健康保険の保険料は納付しないのだ」
また中条きよし参院議員のような富裕層であっても、入院した時にかかる数百万円〜数千万円の医療費を、全額自己負担するというのは、かなり厳しいからです。
もし国民年金の保険料は未納だったけれども、国民健康保険の保険料はきちんと納付していたのなら、国民年金の保険料を納付するまで、保険証を没収すれば良かったと思います。
国民年金と国民健康保険は別々の制度であり、それぞれを運営している組織も、次のような違いがあるのです。
国民年金:日本年金機構
国民健康保険:市区町村と都道府県
そのため国民年金の保険料を未納にしている方の保険証を、市区町村などが没収するのは不可能だったのです。
しかし平成19年(2007年)4月に、「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律」が施行されてからは、没収しても良い事になりました。
実際に没収した後は、短期間で有効期限が切れてしまう保険証を、没収した保険証の代わりに交付すると共に、国民年金の保険料の納付を促していくのです。
国民年金に加入して保険料を納付するのは、20歳から60歳までの40年間になります。
また昭和21年(1946年)生まれの中条きよし参院議員が、60歳の誕生日を迎えたのは、平成18年(2006年)になります。
そうなると上記のような法律が施行される直前に、中条きよし参院議員は60歳の誕生日を迎えていたのです。
ただ国民年金の保険料の徴収権に関する時効は原則として、保険料の納付期限(各月の翌月末日)から2年になります。
これに加えて日本年金機構から督促状が送付されると、進行した時効が振り出しに戻るのです。
そのため国民年金の保険料(特に50代後半の分)を納付させるために、市区町村は保険証を没収できた可能性があります。
また保険証を没収されたら、「年金なんていらない。払わない」などという強気な姿勢を、維持できなかったかもしれません。
『昨夏の参院選の比例代表で初当選した中条きよし参院議員(76)が、年金保険料を納めていない時期があったことが明らかになった。
所属する日本維新の会の幹部は今後の対応について、曖昧な言葉を繰り返す。過去を振り返れば、年金問題は政治家にとって「鬼門」。維新はこの先、どうするのか。
「僕はうそをつかない。逃げも隠れもしない」
俳優や歌手として活動し、時代劇「新・必殺仕事人」やヒット曲「うそ」で知られる中条氏は23日、国会内で記者団の取材にそう語った。
同氏の議員事務所に尋ねると「事実関係を確認中。対応は幹事長に一任している」とだけ話す。
では、維新の藤田文武幹事長はどうか。同日の会見では「全ての期間で納付しているかというと、そうではないと本人が認めている」と明らかにした。
未納問題は、先週発売の週刊文春の報道で発覚。中条氏は数十年間の未納期間があり、日本年金機構の職員が督促したが「年金なんていらない。払わない」と断られた、という内容だ。
藤田氏は事実関係の一部に誤りがあると指摘し、未納期間の調査には数カ月かかるとも説明。その上で「事実関係を把握し、対応を決めたい」と述べた』
以上のようになりますが、この記事を読み終わった時に、もっとも気になったのは、「年金なんていらない。払わない」という部分です。
こういった主張が認められるのだったら、次のような恐ろしい主張も、認められてしまうと思うのです。
「俺様は運転が上手いから絶対に事故は起こさない、だからシートベルトを付けなくても良いのだ」
「俺様はお酒に強いから絶対に悪酔いはしない、だから飲酒運転したって問題はないのだ」
冗談はさておき、国民年金の保険料を未納にしていた中条きよし参院議員であっても、おそらく国民健康保険の保険料は、きちんと納付していたと思います。
そのように考える理由としては、若くても病気やケガになるため、次のような発想は思い浮かびにくいからです。
「俺様は絶対に病気やケガにならない、だから国民健康保険の保険料は納付しないのだ」
また中条きよし参院議員のような富裕層であっても、入院した時にかかる数百万円〜数千万円の医療費を、全額自己負担するというのは、かなり厳しいからです。
もし国民年金の保険料は未納だったけれども、国民健康保険の保険料はきちんと納付していたのなら、国民年金の保険料を納付するまで、保険証を没収すれば良かったと思います。
国民年金と国民健康保険は別々の制度であり、それぞれを運営している組織も、次のような違いがあるのです。
国民年金:日本年金機構
国民健康保険:市区町村と都道府県
そのため国民年金の保険料を未納にしている方の保険証を、市区町村などが没収するのは不可能だったのです。
しかし平成19年(2007年)4月に、「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律」が施行されてからは、没収しても良い事になりました。
実際に没収した後は、短期間で有効期限が切れてしまう保険証を、没収した保険証の代わりに交付すると共に、国民年金の保険料の納付を促していくのです。
国民年金に加入して保険料を納付するのは、20歳から60歳までの40年間になります。
また昭和21年(1946年)生まれの中条きよし参院議員が、60歳の誕生日を迎えたのは、平成18年(2006年)になります。
そうなると上記のような法律が施行される直前に、中条きよし参院議員は60歳の誕生日を迎えていたのです。
ただ国民年金の保険料の徴収権に関する時効は原則として、保険料の納付期限(各月の翌月末日)から2年になります。
これに加えて日本年金機構から督促状が送付されると、進行した時効が振り出しに戻るのです。
そのため国民年金の保険料(特に50代後半の分)を納付させるために、市区町村は保険証を没収できた可能性があります。
また保険証を没収されたら、「年金なんていらない。払わない」などという強気な姿勢を、維持できなかったかもしれません。