2017年08月22日

高齢者の喫煙率を下げなければ、組合健保の財政難は改善しないのでは?

平成29年(2017年)8月18日の毎日新聞を読んでいたら、18社健保が連合体 58万人加入 遠隔外来治療と題した、次のような記事が掲載されておりました。

『日産自動車、日本航空、リクルートグループなど大企業18社の健康保険組合が、加入者58万人規模の連合体(コンソーシアム)を作り、遠隔禁煙外来による治療に取り組む。

東京五輪・パラリンピックのある2020年までに喫煙率を5%下げ、3万人規模の加入者を禁煙させる。

厚生労働省は先月、対面診療なしの完全遠隔禁煙外来を健保組合などの事業として初めて認めたが、最初の社会実験となる。企業の禁煙への動きが加速しそうだ。

健保組合の多くは高齢化で財政難に直面、医療費を押し上げる喫煙を抑制する課題に迫られている。また各社は従業員の健康を守る健康経営をしていることから連合体が作られた。

参加組合は日産自動車健保や日本航空健保のほか、野村証券健保、花王健保、コニカミノルタ健保などで加入者総計は約58万3000人。

実施を請け負うオンライン健康支援企業「リンケージ」によると、8週間以内に医師がスマートフォンやパソコンでのオンライン診察を4回実施し禁煙補助薬を職場や自宅に配送。

保健師らがオンラインや電話で患者を支援、36週目までメールで禁煙継続を確認する。秋から試験実施し、来年度に本格化させ20年春までに喫煙率を5%減らす』

以上のようになりますが、会社員の方が加入する健康保険は、3月28日のブログに記載しましたように、次の2種類に分かれます。

■全国健康保険協会が運営を行う「協会けんぽ」
主に中小企業の従業員が「加入者」となり、その家族は「被扶養者」として保険給付を受ける

■健康保険組合が運営を行う「組合健保」
主に大企業の従業員が「加入者」となり、その家族は「被扶養者」として保険給付を受ける

今回の記事によると、このうちの組合健保の連合体が、対面診療なしの完全遠隔禁煙外来により、健康保険の加入者やその家族の喫煙率を、下げようとしているようです。

健康保険の加入者やその家族の医療費の自己負担は、2割〜3割になっており、残りの医療費の7割〜8割は、組合健保が負担しております。

健康保険の加入者やその家族が禁煙に成功して、以前によりも健康体になれば、組合健保はこの7割〜8割を、負担しなくても済みますから、財政難の改善につながります。

ただ実際に禁煙に成功しても、組合健保の財政を改善させる効果は、それほど大きくないような気がするのです。

その理由として健康保険の加入者が納付した保険料の、40%〜50%程度については、高齢者医療制度の財源となる、「前期高齢者納付金」や「後期高齢者支援金」として、使われているからです。

注:前期高齢者とは65歳〜74歳の方になり、後期高齢者とは75歳以上の方になります。

例えるなら収入の半分は親に仕送りをして、残った半分だけで生活しているようなものです。

収入の半分だけで生活するには、かなりの節約が必要になりますが、それには限界があると思います。

そうなると親にも節約をしてもらって、仕送り額を減らすようにするしかありません。

これと同様に健康保険の加入者やその家族だけが、禁煙をするのではなく、高齢者の方にも禁煙をしてもらい、前期高齢者納付金や後期高齢者支援金を減らす事が、組合健保の財政難の改善につながると思います。

このように支出を減らしたいなら、支出割合の大きいもの(組合健保であれば前期高齢者納付金や後期高齢者支援金)に、手を付けた方が良いのです。

家庭においても支出割合の大きい、生命保険の保険料などの節約はしないで、支出割合の小さい交際費や被服費などの節約だけをしていると、あまり節約はできないと思います。

また交際費や被服費ばかりを節約していると、毎日の生活がつまらなくなり、節約疲れになってしまうと思うのです。

そうなるとストレスを解消するために、無駄使いをしてしまう可能性がありますから、節約を長く続けていくには、心理的な負担がかからないという点も、大切になるのではないでしょうか?

例えば生命保険の保険料の節約については、契約内容などを見直しする時に、心理的な負担がかかります。

しかし負担がかかるのはその時だけであり、あとは特に何もしなくても、節約の効果が続いていくので、長期的にみると交際費や被服費などの節約より、心理的な負担は少ないと思うのです。
posted by FPきむ at 20:52 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする