2013年05月29日

法人契約の生命保険などに加入して保険料を支払った場合の仕訳方法

法人契約の生命保険や医療保険に加入して、保険料を支払った場合の仕訳方法(勘定科目)は、それぞれの保険ごとに次のようになります。

なお法人契約の生命保険や医療保険に加入する際は必ず、契約する前に仕訳の仕方を確認して下さい。

その理由として仕訳の仕方によっては、期待するような効果(節税効果、利益を平準化する効果など)が、得られない場合があるからです。

また正しい仕訳を行なうには、経理の知識だけでなく、法律や通達の知識なども必要となる保険があり、契約した後に「こんなに難しいなら他の保険にしておけば良かった」と、後悔する場合があるからです。

つまり法人保険を選ぶ際は、個人保険とは違い、仕訳の難易度も十分に考慮すべきポイントであり、これを事前に調べないで契約をするのは、かなり危険な行為だと思います。

難易度が高い保険だと、仕訳の仕方がどこにも記載されていない場合や、見つけても理解できない場合があり、そうなると経理処理が先に進まないという事態に陥ります。

■法人契約の生命保険
・定期保険(12月8日のブログを参照)
・終身保険(11月19日のブログを参照)
・養老保険(11月13日のブログを参照)

・定期付養老保険、定期付終身保険(5月28日のブログを参照)
・総合福祉団体定期保険(12月10日のブログを参照)
・逓増定期保険(11月21日のブログを参照)
・長期平準定期保険(11月24日のブログを参照)

■法人契約の医療保険
・終身ガン保険、終身医療保険(11月16日のブログを参照)
・長期傷害保険(11月29日のブログを参照)

いずれも契約形態によって勘定科目が変わってきますので、その点には注意していただきたいと思いますが、この他の生命保険や医療保険の仕訳方法については次のようになります。

(1)保険契約が成立するまでの仕訳方法
生命保険や医療保険は9月15日のブログで紹介したように、次の3つが完了して、その後に保険会社の承諾の意思に代わる保険証券2月6日のブログを参照)が、保険契約者に送付されると、正式に保険契約が成立します。

A:保険契約の申し込み
B:告知(もしくは医師の審査)
C:第1回目の保険料の支払い

ですから第1回目の保険料を支払い、「第1回目保険料充当金領収書」が保険契約者に送付されても、それは保険契約の成立にはなりませんので、次のように支払った保険料の全額を「仮払金」で処理しておきます。

【借方】                【貸方】
仮払金(資産の増加)       現金(資産の減少)
500,000円             500,000円

そして保険証券が保険契約者に送付されたら次のように、正式に保険料に振り替える仕訳をしますが、これは定期保険の例になります。

【借方】                【貸方】
定期保険料(費用の発生)    仮払金(資産の減少)
500,000円             500,000円

(2)収入保障保険の仕訳方法
収入保障保険とは10月26日のブログで紹介したように、被保険者が死亡したり、高度障害になったりした時に、一括して保険金が支払われるのではなく、毎月10万円や15万円程度の保険金が、少しずつ長きに渡って支払われる生命保険になります。

法人がこの収入保障保険を活用する場合には保険金を、経営者の死亡による売り上げの減少を補填するために利用したり、毎月の借入金の返済に充てるために利用したりします。

またその仕訳は次のように、上記の定期保険の仕訳方法と同様の取り扱いになりますが、これは保険料を支払った場合だけでなく、保険金を受け取った場合でも、同様の取り扱いになります。

・保険契約者:法人
・被保険者:役員や従業員
・保険金の受取人:法人

上記のような契約形態で収入保障保険に加入して保険料を支払った場合、その仕訳は次のようになります。

【借方】                【貸方】
支払保険料(費用の発生)    現金(資産の減少)
500,000円             500,000円

・保険契約者:法人
・被保険者:(すべての)役員や従業員
・保険金の受取人:役員や従業員

また上記のような契約形態で収入保障保険に加入して保険料を支払った場合、その仕訳は次のようになります。

【借方】                【貸方】
福利厚生費(費用の発生)    現金(資産の減少)
500,000円             500,000円

ただ被保険者を「(すべての)役員や従業員」ではなく、「(一部の)役員や従業員」とした場合には、「福利厚生費」を「給与・報酬」に置き換えます。

また法人契約した収入保障保険が、長期平準定期保険の条件(10月21日のブログを参照)に該当した場合、保険料を支払ったり、保険金を受け取ったりした際には、上記の長期平準定期保険の仕訳方法と同様の取り扱いになります。

ただ長期平準定期保険の条件に該当しても、解約返戻金(9月12日のブログを参照)が全く支払われない収入保障保険については、上記の定期保険の仕訳方法と同様の取り扱いになります。

(3)特約保険料の仕訳方法
特約とは主契約である生命保険や医療保険に、任意で付加する保障で、7月9日のブログ7月11日のブログで紹介したようなものになりますが、その仕訳は次のようになります。

・保険契約者:法人
・被保険者:役員や従業員
・給付金や保険金の受取人:法人

上記のような契約形態で特約保険料を支払った場合、その仕訳は次のようになります。

注:法人契約の生命保険で、主契約の死亡保険金や高度障害保険金(9月12日のブログを参照)の受取人が法人となっている場合には、特約の給付金や保険金も、法人が受け取る事になります。

【借方】                【貸方】
特約保険料(費用の発生)    現金(資産の減少)
500,000円             500,000円

・保険契約者:法人
・被保険者:(すべての)役員や従業員
・給付金や保険金の受取人:役員や従業員

また上記のような契約形態で特約保険料を支払った場合、その仕訳は次のようになります。

【借方】                【貸方】
福利厚生費(費用の発生)    現金(資産の減少)
500,000円             500,000円

ただ被保険者を「(すべての)役員や従業員」ではなく、「(一部の)役員や従業員」とした場合には、「福利厚生費」を「給与・報酬」に置き換えます。

なお法人が受け取った特約の給付金や保険金を、見舞金として役員や従業員に支払った場合については、上記の終身ガン保険、終身医療保険、長期傷害保険の仕訳方法と同様の取り扱いになります。
posted by FPきむ at 19:51 | 法人保険の選び方と仕訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする