2019年05月13日

生命保険の掛け捨てには敏感でも、人生の掛け捨てには無関心な日本人



生命保険は大きく分けると、定期保険や収入保障保険などの「掛け捨て型」と、終身保険、養老保険、個人年金保険などの「貯蓄型」の、2種類が存在しております。

前者の掛け捨て型に加入すると、保険で保障される期間内に、死亡などの保険事故が発生しなかった場合には、保険料として支払ったお金が、無駄になってしまう可能性が高いのです。

そのため掛け捨て型はもったいないと考え、後者の貯蓄型を選択する方がいるようです。

このもったいないという発想は、持ち家派と賃貸派が議論する時に、持ち家派がよく主張するような気がします。

例えば住宅ローンを支払い続ければ、返済が終わった段階で、その家は完全に自分の物になりますが、家賃は支払い続けても、その家は永遠に自分の物にはなりません。

そうなると家賃を支払い続けるのはもったいないので、持ち家を早く購入して、住宅ローンを支払う方が良いと主張するのです。

このように主張する方はおそらく生命保険でも、支払ったお金が無駄になるのは嫌なので、掛け捨て型ではなく貯蓄型を選択すると思います。

ところで経営者として成功した、アメリカのある大富豪の伝記を読んでいたら、興味深いエピソードが記載されておりました。

そのエピソードとは就職してから数年後に、父親に会いに行った時、会社の中で順調に出世し、忙しく働いているという話をしたそうです。

父親ならこの話を、喜んで聞いてくれるだろうと思っていたら、「他人が保有する会社を大きくするために労力を使う事から、早く卒業した方が良い」というアドバイスを受けたそうです。

起業家精神が根付くアメリカの父親らしいアドバイスであり、多くの日本の父親は、このようなアドバイスはしないと思います。

このアドバイスで目が覚めた大富豪は、それからすぐに起業の準備を始め、経営者として成功しました。

会社員として働くという事は、大富豪の父親が指摘するように、他人が保有する会社を大きくするために労力を使う事です。

その対価として給与をもらえるかもしれませんが、会社が大きくなって一番の恩恵を受けるのは、会社の所有者である株主です。

しかも近年の傾向としては、給与はあまり増えていないにもかかわらず、株主への配当は増えております。

また家賃を支払い続けても、その家は自分の物にはならないのと同じように、いくら会社員として頑張っても、その会社は自分の物にはなりません。

このような会社員の姿を見ていると、人生を掛け捨てにしているように感じるのです。

正社員であれば1日8時間、週に5日くらい働くのですから、人生の掛け捨ては数万時間に達すると考えられます。

お金が掛け捨てになるのはもったいないですが、これだけの時間が掛け捨てになるのも、かなりもったいないような気がします。

一方で例えば中小企業のオーナー経営者は、人生を掛け捨てにしていないと思います。

その理由として労力を使って、自分の会社を大きくすれば、その事業や株式は財産になるからです。

自分の財産になった事業は、働かなくてもお金を生み出してくれる可能性があり、また自分の財産になった株式を譲渡して、お金を得る事ができるのです。

なお起業する気持ちはまったく持っておらず、定年まで今の会社で働きたいという方は、その会社の株式を購入してみるのが良いと思います。

そうすると自分が一部を保有する会社を大きくするために、労力を使う事になるのですから、人生の掛け捨てを少なくできます。

また仕事が終わった後に副業で起業するというのも、人生の掛け捨てを少なくする選択のひとつです。

いずれにしろ会社員として働くという事は、他人が保有する会社を大きくするために、労力を使っているのであり、それは人生の掛け捨てになるという意識を、持つべきではないかと思います。

またそれぞれの立場で、労力を財産に変える方法を考え出して、人生の掛け捨てを少なくしていくのです。

人生の掛け捨てに無関心でいると、仕事のために多くの労力を使ってきたけれども、定年後に残ったのは僅かな退職金だけという、懐の寂しい老後を迎えるかもしれません。
posted by FPきむ at 20:54 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月04日

保険ショップが実施する保険相談の有料化は、顧客にもメリットがある

令和元年(2019年)5月4日のマネーポストWEBを読んでいたら、JTBが旅行相談を有料化 続くのは大手キャリアか宅配便再配達かと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『4月1日から、JTB一部店舗において“旅行相談”が有料化されたという注意書きが貼られており、ネットを中心に驚きの声が上がっている』

『そんな中、さまざまなサービスやモノが有料化となる流れを推測する見方も出始めている。そこで、いまは無料だが、「有料化されても仕方がない」と思うモノやサービスに関する声を聞いてみた。

IT企業に勤務する30代男性会社員・Aさんは、「大手キャリアの窓口」も有料化する可能性があるのではないかと話す』

『30代女性会社員・Bさんは、「宅配サービスの再配達」を有料化すべきだと言う』

『一方で様々なジャンルの有料化の流れを危惧するのは、20代男性会社員のCさんだ。気がかりなのは、「やよい軒」の一部店舗でのごはんおかわりの有料化だという』

『サービスやモノには対価が支払われるのはしかるべきだが、無料から有料化されるとなるとそれ相応の質が求められるのも事実。今後、有料化の流れが進むのか注目される』

以上のようになりますが、JTBの一部の店舗で旅行相談が有料化されたため、他のサービスやモノについても、有料化の流れが進んでいく可能性があるという内容の記事です。

この中で有料化に対する、顧客からの理解を得やすいのは、「宅配サービスの再配達」ではないかと思います。

その理由として宅配サービスの再配達には、その分のガソリン代や人件費がかかっているからです。

また再配達のための料金を支払いたくないという方は、宅配ボックスなどを利用すれば良いからです。

一方でJTBの店舗での旅行相談や、大手キャリアのショップでの窓口相談は、有料化に対する顧客からの理解を得るのは、難しいのではないかと思います。

その理由として日本には、相談という目に見えないものに対して、お金を支払う習慣があまりないからです。

例えば30分で5,000円程度になる弁護士の法律相談でも、初回は無料にしている事務所がけっこうあります。

また例えば「相談だけなら無料」と強調する、司法書士事務所の広告をよく見かけます。

このように弁護士や司法書士といった、高度な専門的知識が必要とされる職業でも、日本では相談に対してお金を支払う習慣があまりないため、相談を無料にする必要があるのです。

そうなると他の職業に対する相談を有料にするのは、かなりハードルが高いと思うのですが、保険ショップが実施している保険相談は、顧客にもメリットがあるため、有料にしても良いと思うのです。

その理由として保険相談が有料になれば、必要性の低い保険を勧められる可能性が低くなり、また保険の見直しの選択肢が広がるからです。

保険ショップの主な収入源は、保険の販売によって保険会社から得られる販売手数料です。

また保険ショップが無料で保険相談を実施できるのは、この販売手数料があるからです。

ですから現状の保険のままで問題のない顧客に対しても、新しい保険を勧める可能性があります。

もちろん保険ショップによっては、必要性の低い保険は勧めないと宣言しておりますが、これを徹底していったら、保険ショップの経営は成り立たなくなると思うのです。

また保険料を支払う金銭的な余裕がなくなった場合、保険料の支払いを止め、その時点の解約返戻金を元に、今までより保険金額の低い払済保険に変更するという、保険の見直し方法があります。

ただこういった見直しだと、保険ショップは販売手数料を得られないため、「解約→保険料を低くした新しい保険への加入」という見直しが、優先されてしまう可能性があるのです。

もし保険相談が有料になったら、保険ショップは販売手数料以外の収入源ができるため、これらの点は改善されるのではないかと思います。

また顧客の側は相談時間を短く済ませるため、事前に加入している保険の保障内容を調べたり、質問内容を整理したりするため、今までより中身の濃い保険相談ができると思います。
posted by FPきむ at 20:34 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする