2019年02月13日

外貨建て保険のトラブルが絶えない要因は、「大企業信仰」と「保険信仰」

平成31年(2019年)1月19日の朝日新聞を読んでいたら、外貨建て保険に「説明不十分」の声 販売増で苦情も急増と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『生命保険会社が銀行窓口などを通じて販売する「外貨建て保険」で苦情が急増している。超低金利下でも高利回りの資産運用として高齢者に売り込んでいるが、為替相場次第で元本割れとなり損失を被るリスクがある。

販売増で苦情も増え、各社にはリスクなどに関する「事前説明が不十分」との声が多く寄せられている。業界は苦情の実態を公表しておらず、その販売姿勢が問われている。

生命保険協会が昨年末まとめた内部資料で実態が判明した。2017年度に協会や生保41社が銀行窓販の外貨建て保険・年金で受けた苦情は、前年度比12・3%増の2076件で、12年度(626件)の3・3倍。

17年度の新契約は60万件程度と12年度の5倍近くに増えており、苦情件数も右肩上がりだ。

内訳は「元本割れリスクについて適切な説明を受けなかった」が43%で最も多く、「その他説明不十分(解約時の税金など)」(14・7%)、「その他(強引な勧誘など)」(11・8%)が続く。

「預貯金と誤認した」(2・8%)との内容もある。不十分な説明への苦情が圧倒的に多く、年齢別では60歳以上からの苦情が過半を占めた』

以上のようになりますが、銀行が外貨建て保険の販売に力を入れ始めたのは、日銀が平成28年(2016年)1月に、マイナス金利政策を導入した辺りからだと思います。

この理由としてはマイナス金利政策の影響により、貸し出しなどで利ざやを稼ぎにくくなった銀行が、高い販売手数料を得られる外貨建て保険の販売に、活路を見出したからです。

それから短期間のうちに、外貨建て保険に関するトラブルが増えているというニュースが、新聞やテレビなどで取り上げられるようになりました。

つまり外貨建て保険に関するトラブルは、約3年の歴史があるため、冒頭に掲載した記事を初めて読んだ時の感想は、「まだ買っている人がいるの!」でした。

こういった歴史を知らない方でも、外貨建て保険を購入する前に、インターネットで検索してみると、評判が悪いという情報がいくつも出てくるため、トラブルは防げたと思うのです。

シンクタンクの日本能率協会総合研究所が、全国に居住する60歳から90歳までの男女2,500人に対して、インターネットの利用に関する調査を実施したところ、例えば60代前半の男性では、80%以上がインターネットを利用しているそうです。

また70代後半でも60%程度が利用しているそうなので、「年齢別では60歳以上からの苦情が過半を占めた」のは、インターネットを使えないからではないと思います。

この苦情の中でもっとも割合が大きい、「元本割れリスクについて適切な説明を受けなかった」については、トラブルが増えてきた当初から、苦情が多かったのです。

そのため生命保険協会の稲垣精二会長(第一生命社長)は、記者会見の際に、元本割れなどの損失を被る可能性について十分説明するよう、指針を設けたと説明しております。

このようにトラブルを防ぐための情報は、インターネット上に溢れているのに、また外貨建て保険を販売している生命保険会社は、説明しようと努力しているのに、なぜトラブルが絶えないのでしょうか?

要因のひとつとして考えられるのは、外貨建て保険を販売している生命保険会社や、それを代理販売している銀行が、大企業だからだと思うのです。

つまり大企業の商品だから大丈夫だと考え、きちんと保障内容などを理解しないうちに、契約を済ませてしまったのです。

このような大企業だから大丈夫という「大企業信仰」は、今に始まった事ではありません。

例えば1980年代に発生した、戦後最大の詐欺事件と言われている豊田商事事件は、「豊田商事」という社名により、トヨタ自動車のグループ企業だと勘違いした方が多かったため、被害が拡大したそうです。

そもそも犯人はこの勘違いを狙って、豊田商事という社名にしたそうですから、大企業信仰の存在を理解していたのかもしれません。

外貨建て保険に関するトラブルを発生させている、もうひとつの信仰は、投資は危ないけれども、保険なら安心という「保険信仰」です。

しかし保険でも商品によっては、投資と同じように元本割れするのですから、保険なら何でも安心という訳ではないのです。

この両者の信仰から抜け出し、きちんと保障内容などを理解してから契約する、また理解できない複雑な商品は契約しないと決めておけば、かなりのトラブルを防げると思います。
posted by FPきむ at 20:37 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月01日

生命保険の加入者は国債の格付けが、日本は韓国より低い事実を忘れるな

平成30年(2018年)12月20日に韓国海軍の駆逐艦が、日本の海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを、何回も照射するという事件が発生しました。

なぜこれが問題なのかというと、火器管制レーダーは標的の位置を把握し、砲弾やミサイルを発射するために使用するものという、理由があるからのようです。

つまり海上自衛隊の哨戒機は韓国海軍の駆逐艦に、攻撃される可能性があった訳です。

これを受けて「レーダー照射があった」と主張する日本と、「レーダー照射はなかった」と主張する韓国は、自らの正当性を証明するための映像などを提示しておりますが、解決には至っておりません。

また平成31年(2018年)1月23日に韓国の国防部は、日本の哨戒機が韓国海軍の艦艇に対して威嚇飛行を行い、高度約60〜70メートルまで接近したという声明を発表したため、解決するどころか、更に悪化しております。

これだけ日本と韓国が揉めていると、マスコミの報道はこの話題ばかりになってしまいますが、日本人がもっと知っておいた方が良い、別の話題もあると思うのです。

それは例えば平成31年(2018年)1月24日のChosunOnlineに掲載されている、韓国の格付け フィッチが「AAマイナス」に据え置きと題した、次のような記事になります。

『大手格付け会社フィッチ・レーティングスが、韓国の国債格付けを上から4番目の「AAマイナス」で据え置いた。見通しも「安定的」を維持した。韓国企画財政部が24日、伝えた。

フィッチは、対外健全性と堅調なマクロ経済成果、地政学的リスク、高齢化や低い生産性などを総合的に格付けに反映したとしている。

韓国経済について、2018年の実質国内総生産(GDP)成長率は2.7%で前年の3.1%に比べ鈍化したものの、他の「AA」等級の国と比べると相対的に堅調な成長の流れを維持していると評価。

一方で、民間投資と輸出の鈍化により、19年と20年の成長率はそれぞれ2.5%に落ち込むとの見通しを示した』

以上のようになりますが、フィッチは欧米の格付け会社ですから、韓国だけでなく日本に対しても、客観的な評価をしていると考えられます。

そこでフィッチによる日本国債の格付けについて調べてみると、現在は上から6番目の「A」でした。

そうなると上から4番目の韓国より、2段階も低いという結果になるのです。

意外に思う方がいるかもしれませんが、ムーディーズやS&Pといった他の欧米の格付け会社も、日本より韓国の国債を高く評価しておりますから、まったく意外ではないのです。

またこういった格付け会社は、元本や金利が約束通りに支払われないという、債務不履行の確率を分析し、その結果をアルファベットなどの簡単な記号で示しております。

ですから韓国より記号のランクが低い日本は、韓国よりも債務不履行の確率が高いのです。

多くの日本人は日本国債を、直接的には保有していないと思いますが、皆さんがお金を預けている国内の生命保険会社は共通して、日本国債を大量に保有しております。

例えばかんぽ生命は、平成29年(2017年)3月末時点において、顧客から預かった資産の53.2%を、日本国債で運用しております。

こういった状況ですから、日本がギリシャのような財政危機に陥り、債務不履行が現在のものになれば、日本国債を大量に生命保険会社は、大きなダメージを受けると考えられ、倒産するところも出てくるかもしれません。

過去に生命保険会社が倒産した時に、どのような処理が行われたのかを調べてみると、「保険期間が長期に渡る保険」または終身保険や個人年金保険などの「貯蓄型保険」は、他の生命保険会社に契約が引き継がれる時に、保険金や年金が大幅に削減されたのです。

それに対して定期保険のような「掛け捨て型保険」は、倒産による影響をほとんど受けずに済みました。

これに加えて近年は、日銀のマイナス金利政策などにより、貯蓄型保険の貯蓄性は以前よりも薄れているため、生命保険でお金を貯めるのは難しくなっているのです。

ですから国債の格付けが、日本は韓国より低いという事実を知り、将来に不安を感じたという方は、貯蓄型保険から掛け捨て型保険に切り替えた方が良いのです。

またそれによって余ったお金は、生命保険よりも高い節税効果でお金が貯まる、iDeCo(個人型の確定拠出年金)やNISAに、回していくべきだと思います。
posted by FPきむ at 20:49 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする