2018年09月22日

生命保険や投資信託で得している方は、インターネットで契約している

平成30年(2018年)7月5日の朝日新聞を読んでいたら、銀行の投資信託、46%の個人が「損」 金融庁問題提起と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『金融庁が主要行9行と地方銀行20行の窓口で投信を買った客全員の今年3月末と購入時の投信の評価額を比べた。

顧客が払う手数料も引き、実質的な「手取り」を試算すると、46%の人の運用損益がマイナスで、損をしていたという。

購入した時期にもよるが、株価が上昇基調で比較的「損をしにくい」環境のなかで、比較的多くの人が損をしていたことになる』

以上のようになりますが、このニュースは他の新聞や、金融関係の専門家のブログなどでも取り上げられていたため、ご存知の方は多いのではないかと思います。

ただこのニュースには興味深い続編があり、それはあまり知られていないような気がするのです。

その続編とは例えば、平成30年(2018年)8月28日の産経ニュースに掲載されていた、ネット証券に軍配 投信運用損益が銀行販売分を上回るという記事であり、一部を紹介すると次のようになります。

『インターネット証券大手4社は28日、4社で販売した投資信託を購入・保有している顧客のうち約64%で運用益が出ていると発表した。

金融庁調査では、国内29の銀行で投信を購入した顧客の半数近くが評価損を抱えている実態が明らかになっており、ネット証券が顧客の運用成果で銀行を上回った格好だ…(中略)…

一方、購入時と比較して評価損が出ている顧客は約36%。損失の大きさは購入額の10%までが30・1%だった。

金融庁が6月に公表した大手銀と地銀が対象の調査では、運用損益がマイナスとなった顧客は約46%で、関係者は「顧客層の違いが影響しているのでは」と分析している』

以上のようになりますが、要するに銀行で投資信託を購入した顧客よりも、インターネット証券で投資信託を購入した顧客の方が、得していたという話になります。

このように銀行とインターネット証券の運用損益に、かなりの差がついた理由については、「顧客層の違いが影響しているのでは」という、関係者の分析が紹介されておりますが、それだけではないと思うのです。

銀行で販売されている投資信託は、販売手数料(購入する時にかかる)が2〜3%程度で、信託報酬(投資信託を保有している間にかかる)が年率1.5%程度の、手数料が高いものが多いのです。

それに対してインターネット証券では、ノーロード(販売手数料がない)で、かつ信託報酬が年率0.5%以下の投資信託が、かなり販売されております。

顧客層の違いだけでなく、このような手数料の違いが、銀行とインターネット証券の運用損益に、差をつけたのだと思うのです。

また生命保険も次のような理由により、インターネットを通じて契約できる、いわゆる「ネット生保」で契約した顧客の方が、銀行で契約した顧客よりも、得をしていると思うのです。

(1)対面式より保険料を安くできる
対面式で生命保険を販売する場合、営業職員の人件費、顧客を迎える店舗の家賃などが、どうしても必要になるのです。

そのために使うお金は、顧客から徴収しなければならず、通常は保険料の中に含まれております。

また生命保険の保険料の中で、営業職員の人件費や家賃などの経費のために使われる部分は「付加保険料」、保険金の支払いのために使われる部分は「純保険料」になります。

ネット生保が販売する生命保険も、対面式で販売する生命保険と同じように、付加保険料は含まれておりますが、営業職員の人件費や家賃などが少ない分だけ、これを低く設定できるのです。

そうすると対面式より保険料が安くなり、顧客の手元に残るお金が多くなるため、お得感を得られるのです。

(2)保障内容がシンプルになっている
ネット生保が販売する生命保険は、営業職員が対面で保障内容を説明しなくても理解できるように、保障内容がシンプルになっている場合が多いのです。

このように保障内容がシンプルだと、顧客はどういう状態になった時に保険金が受け取れるのかを、簡単に理解でき、また忘れないでいられるため、保険金の請求漏れが少なくなります。

そのため保険事故(例えば病気やケガなど)が発生した時に、漏れなく保険金を受けとれるため、顧客はお得感を得られるのです。

逆に保障内容が複雑だと、どうすれば保険金を受けとれるのかがわからないため、請求漏れが発生すると同時に、保険金の支給要件に該当するか否かで、生命保険会社と揉める可能性が出てきます。

以上のようになりますが、ネット生保に抵抗を感じるという方は、県民共済などの共済系が販売する生命保険を、利用しても良いと思います。
posted by FPきむ at 20:37 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月03日

財布の中に小銭が増えてきたら、外貨建て保険には加入しない方が良い

スーパーやコンビニなどに行って、レジの前に並んでいる時、会計をしている最中のお客さんが、財布の中に貯まっている小銭を、大変そうに出している光景をたまに見かけます。

こういったお客さんは、高齢者の方が多いという印象があるため、財布の中に小銭が増えるのは、老化現象の一種ではないかと考えておりました。

そこでインターネットで調べてみたところ、やはり老化現象と指摘する識者の方は多いようです。

またこのように小銭が増えてしまうのは、指先の動きの低下で小さな物がつかみにくくなったり、計算能力が低下したりして、小銭を出すのが大変になり、紙幣ばかりを出してしまうからのようです。

こういった状況の中、アメリカのコインスターという会社は、小銭を紙幣や電子マネーに交換できる機械を、横浜市にあるアピタの一部の店舗に設置しました。

使い方はとても簡単なようで、この機械に小銭を入れると、1分間に600枚の速度で、小銭の枚数や金額を計算します。

そして計算が終わった後に発行される引換券を、サービスカウンターに持って行くと、紙幣と交換してくれるそうです。

便利なサービスだと思ったのですが、当面は交換する時に、9.9%の手数料がかかるそうなので、少しコストが高い感じがします。

ですから高齢者の方は、このような機械に頼る前に、電子マネーなどを積極的に利用して、小銭が増えないようにしたいところです。

ただ電子マネーの利用率について、インターネットで調べてみたところ、予想以上に高齢者の方は、電子マネーを利用している事がわかりました。

例えば総務省が作成した、「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」によると、電子マネーを利用した世帯員がいる、高齢者世帯の割合は、平成26年(2014年)の調査では29.4%でした。

また平成20年(2008年)の11.9%から、わずか6年で2.5倍に増えているため、電子マネーを利用する高齢者の方は、これからも増えていくと予想されます。

このように高齢者の方は、決裁手段については適切なものを、選んでいるという印象があるのですが、生命保険については不適切なものを、選んでいる方がいると思うのです。

そのひとつだと思う「外貨建て保険」は、例えば満期を迎えた時に、加入する時よりも円高・外貨安(米ドル安や豪ドル高)が進み、為替差損が発生した場合には、元本割れ(元本>保険金や年金)する可能性があります。

その一方で加入する時よりも、円安・外貨高(米ドル高や豪ドル高)が進み、為替差益が発生した場合には、当初の想定よりも保険金や年金の受取額が、多くなる可能性があります。

つまり外貨建て保険は、保険でありながらも、投資の要素が強くなっているのです。

若い方は人生の残りの期間が、高齢者の方よりも長いので、例えば満期を迎えた時に、為替差損が発生している場合には、保険金や年金の受け取りを据え置いて、元本が回復するまで、または為替差益が発生するまで、気長に待つ事ができます。

しかし高齢者の方は人生の残りの期間が、若い方よりも短いので、元本が回復するまで、または為替差益が発生するまで、待つ事ができない場合があるのです。

また元本割れになっても、若い方であればその分を、働いた収入で取り戻せるのですが、高齢者の方はそれが難しくなります。

このような理由により高齢者の方は、外貨建て保険の加入に対して、慎重になった方が良いと思うのです。

また元本が回復するのを気長に待つ事ができ、かつ投資の損失を働いて取り戻せる若い方が、元本保証にこだわって、大きなリターンを取り逃がしてしまうのは、もったいないと思うのです。

ただ大きなリターンを狙うために、手数料の高い外貨建て保険に加入するのは止めておくべきであり、税制優遇が大きく、また手数料の安い投資信託が揃っている「つみたてNISA」や、「個人型の確定拠出年金(iDeCo)」などに、加入すれば良いと思います。

その理由として手数料や税金は、投資のリターンを確実に低下させる要因になるため、できるだけ安い方が良いからです。

もし保険がないと不安なら、インターネット専業の保険会社や、各種の共済が販売する、掛け捨て型の医療保険などに、加入しておけば良いと思います。

そうなると外貨建て保険は、財布の中に小銭が増えて、それを出すのが大変な高齢者の方だけでなく、必要な小銭がすぐに出せる若い方にとっても、加入する必要性が低い金融商品ではないでしょうか?
posted by FPきむ at 20:37 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする