2017年05月16日

所得税の天引きや生命保険料の口座振替は、負担の重さを感じなくさせる

会社員(正社員、パートやアルバイトなど)の方に支払われる月給やボーナスからは、それぞれの収入によって決まる所得税が天引きされており、それはお勤め先の会社を通じて、税務署に納められております。

そして毎年最後の給与が支払われる時(通常であれば12月)に、その年の所得税を計算し、「その年の所得税<1月〜12月に天引きされた所得税の合計」であれば、納めすぎた所得税が還付されるのです。

また「その年の所得税>1月〜12月に天引きされた所得税の合計」であれば、追加で天引きされます。

この所得税の精算手続きは「年末調整」と呼ばれており、こういった手続きはお勤め先の会社がやってくれるので、会社員の方は必要な書類を提出するだけで済みます。

それに対して自営業者やフリーランスなどは、毎年2月中頃〜3月中頃に実施される確定申告の時に、自分で計算した所得税を申告したり、納付したりします。

このように日本では、例えば不動産の売却などをしない限り、会社員の方は確定申告をやらないのですが、例えばアメリカなどでは会社員であっても、自分で確定申告をやっております。

そのため日本でもアメリカなどと同様に、会社員も確定申告をやるべきだと主張する方がおりますが、それは次のような理由があるからです。

(1)所得税の金額がわかる
自営業者やフリーランスの方は、自分で所得税を計算するので、1年あたりの所得税の金額がわかります。

仮に答えられなかったとしても、どの書類を見れば、その金額が書いてあるのかは、答えられるはずです。

それに対して会社員の方は、自分で所得税を計算しないので、1年あたりの所得税の金額がわかる方は、少数派だと思うのです。

またどの書類を見れば、1年あたりの所得税の金額が書いてあるのかを知っている方も、少数派ではないでしょうか?

(2)行政が効率化していく
所得税の金額がわかると、税金の負担の重さを実感するようになり、税金の使い道に対して、厳しい目を向けるようになります。

こういった納税者が増えると政府は、税金の無駄遣いを止めようという意識を強くするので、行政が効率化していくのです。

(3)節税について考えるようになる
所得税の金額がわかると、税金の負担の重さを実感するようになり、節税方法について調べる方が増えると思います。

また確定申告を通じて、自分で所得税を計算すると、所得税を算出するためのプロセスがわかるので、どのあたりに節税の余地があるか、またはどの節税方法が自分に合っているのかが、わかるようになるのです。

以上のようになりますが、所得税の天引きと年末調整による精算という仕組みは、効率良く税金を徴収できるだけなく、税金の使い道や節税に対して、関心の薄い国民を作るので、政府にとっては何かと都合が良いのです。

ですから政府はこれからも、所得税の天引きと年末調整による精算という仕組みを維持していくと考えられ、会社員の方は引き続き、確定申告を求められないと思います。

近年は年金受給者に対しても、「公的年金等による収入が400万円以下」などの要件を満たす場合には、確定申告をする必要はないとしております。

ただ確定申告をすれば、所得税が還付される可能性があるので、確定申告をしなくても良いというのは、年金受給者にやさしいように見えて、やはり政府にとって都合が良いのです。

ところで生命保険の保険料を、例えば給与の振込み口座からの口座振替(口座自動引き落とし)で支払っていると、所得税の天引きと同じような感じになります。

そうなると生命保険の保険料も、所得税と同じように、負担の重さを実感しづらくなります。

その結果として保険料に見合うだけの保障が付いているか、または生命保険会社が保険料を無駄遣いしていないか、つまり保険料の使い道について、真剣に考えなくなってしまうのです。

また保険料を安くするための、余地や手段がないのかについても、真剣に考えなくなってしまうのです。

なお所得税も生命保険の保険料も、月々の金額だけを見ると、あまり負担は感じないかもしれません。

しかしある程度のまとまった期間で見ると、かなり大きな金額になる事がわかり、負担の大きさを実感するはずです。

特に生命保険はマイホームに次ぐ、人生で二番目に高い買い物だと言われおり、生涯に支払う保険料の合計額が、数千万に達する可能性があります。

それだけの高い買い物をするのですから、もっと保険料の使い道について、厳しい目を向けるべきであり、またもっと保険料を安くできる方法がないのかについて、考えてみるべきだと思います。
posted by FPきむ at 20:12 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

医療保険やガン保険から卒業すれば、保険会社とのトラブルは減少する



平成29年(2017年)5月1日のねとらぼを読んでいたら、生命保険会社の“苦情件数と割合の一覧表”に驚きの声 「こんなデータ公開されてたのか」「納得感がある」と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『生命保険協会が公開している、「生命保険各社の苦情受付情報・保険金等お支払情報について」をまとめた表が話題になっています。

この表は、苦情件数を客数で割り、客1人当たりの苦情数をランキング形式でまとめたもの。これは参考になる。

この表を作製したのは、TwitterユーザーのYSRさん。苦情件数の割合順に、分かりやすくまとまっています。

保険会社を選ぶ際に、トラブルが少ないところを選びたい人には有益なデータとなりそうです』

『ただし、人数当たりの苦情の割合が少ない=良い保険会社と限りません。「利益を上げていないとちょっと景気が悪くなっただけで潰れたりする」「商品ラインアップや業歴が違うから一概に比べられないのでは」「クレームになりやすい商品構成の会社が上位にきやすい」といった意見も。

YSRさん自身も、「とりあえず数字を抜き出して並べただけですから、実際に選ぶ際はもっと吟味する必要があると思われます」とコメントしています。

また、データを公開している生命保険協会によると、「苦情情報を積極的に収集するため、会員会社が苦情をお受けする窓口を増やし、より多くの機会にご案内していくことで、苦情受付件数が多くなる傾向にある」とのこと。客からの声をよく聞く会社ほど上位にきやすい点にも注意が必要です』

以上のようになりますが、記事の中に掲載されている、「客1人当たりの苦情数ランキング」のワースト5は、次のようになっております。

1位:ジブラルタ生命
2位:大同生命
3位:PGF生命
4位:ソニーライフ・エイゴン生命
5位:メットライフ生命

なお3月16日のブログでは、「生命保険の顧客満足度ランキング」を紹介しましたが、そのトップ5は次のようになっております。

1位:コープ共済
2位:都道府県民共済
3位:全労済
4位:アフラック
5位:メットライフ生命

これを見るとメットライフ生命は、「客1人当たりの苦情数ランキング」のワースト5に登場すると同時に、「生命保険の顧客満足度ランキング」のトップ5にも登場しているのです。

そのため記事の中に記載されているように、「人数当たりの苦情の割合が少ない=良い保険会社」と、単純に考えてはいけないと思うのです。

またコープ共済、都道府県民共済、全労済などの共済系は、生命保険協会に加入しておらず、「客1人当たりの苦情数ランキング」には登場しませんので、共済系を含めたランキングを作製してみると、違った順位になりそうな気がします。

具体的にどうような事でトラブルが発生しているかについては、生命保険協会のホームページの中にある、生命保険各社の苦情受付情報・保険金等お支払情報についてに記載されております。

これを見てみると、「死亡等保険金支払手続」や「死亡等保険金不支払決定」より、「入院等給付金支払手続」や「入院等給付金不支払決定」で、トラブルが発生しているように感じるのです

つまり家族が死亡して、生命保険の死亡保険金を請求する時より、病気やケガで入院して、医療保険やガン保険の入院給付金などを請求する時に、トラブルが発生しているのです。

この理由として生命保険は、死亡しているか否かという、はっきりしやすいものを保障の対象にしているので、請求者が白(保険金を受け取れる)と思ったものを、保険会社が黒(保険金を受け取れない)にする事は、少ないのだと思います。

それに対して医療保険やガン保険は、入院給付金などの支給対象になる病気や手術に、細かい要件が設けられているため、請求者が白(給付金を受け取れる)と思っても、保険会社が黒(給付金を受け取れない)と判断する事があり、トラブルになるのだと思います。

ですからトラブルにならないようにするには、細かい要件が少ないシンプルな医療保険やガン保険に、加入するのが良いはずです。

また保険料の安い、例えば共済系の医療保険に入り直して、それによって節約できたお金を、どんどん預貯金していくのです。

それが一定額に達すると、預貯金と公的医療保険(健康保険、国民健康保険など)で、医療費を賄えるようになり、医療保険やガン保険から卒業できるのです。

なお4月12日のブログで紹介した、がん保険のカラクリ(著:岩瀬大輔)によると、いざという時に自由に使えるお金が300万円〜500万円あれば、医療保険やガン保険から卒業できるとしております。

医療保険やガン保険に入っていると、安心のような気がしますが、給付金の支払いを拒まれる可能性がある事を考えると、支払いを拒まれる心配のない預貯金の方が、いざという時に頼りになると思うのです。

以上のようになりますが、すでにトラブルが発生して、困っているという方は、1月29日のブログで紹介したような機関に、解決をお願いしてみるのが良いと思います。
posted by FPきむ at 20:26 | 保険について思うこと、考えること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする